研究課題/領域番号 |
12671287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
武藤 徹一郎 財団法人癌研究会, 癌研究所, 部長 (20110695)
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研究分担者 |
堀 信一 東京大学, 医学部, 助手 (90282631)
渡辺 聡明 東京大学, 医学部, 助教授 (80210920)
加藤 洋 財団法人癌研究会, 癌研究所・病理部, 部長 (20010473)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 直腸癌 / 術前放射線照射 / 癌浸潤距離 / tumor deposit / 簇出 / 微少転移 / Ki-67 / p53 / 放射線照射 / 照射前生検 / 免疫組織染色 / 微小転移 / 組織学的効果 / 非照射 / リンパ節転移 |
研究概要 |
直腸進行癌に対する術前放射線照射は腫瘍のdown-stagingをもたらし、局所再発率を低下させることが知られている。本研究では、照射群と非照射群との間で癌先進部やリンパ節の詳細な病理組織所見を比較するとともに、照射群においては、照謝前の生検材料と手術切除材料にKi-67・P53・P21・bcl-2・caspase3の免疫染色を行い、細胞増殖活性やapoptosis関連蛋白の術前照射による変化を記録し、術前照射の効果の判定や予測におけるこれらの分子マーカーの有用性を検討した。 組織所見においては、照射群では非照射群よりも肛門側壁内浸潤距離が短く、tumor depositや簇出の所見を有する比率が低かった。リンパ節転移陽性率は両群間に差がなかったが、サイトケラチン染色で同定される微少リンパ節転移は照射群で少なかった。これらの結果は、術前照射によって、肛門括約筋温存術の適応が拡大され、広範リンパ節郭清による機能障害を軽減させ得ることを意味している。また、照射群において、術前生検材料のKi-67陽性細胞比率や・P53・P21・bcl-2・caspase3の染色性は、変性・壊死を来した腫瘍細胞の比率から判定される組織学的照射効果と有意の関連はなかったが、Ki-67陽性細胞比率とP53染色性の低下が照射後に認められ、これらは術前照射の効果を評価する新しい尺度になり得ると考えられた。 今後は、術前照射例で認められた組織所見の改善やKi-67陽性細胞比率やP53染色性の変化と、手術後の局所再発率や生命予後との関係について臨床的検討を継続するとともに、2002年から癌研究会附属病院で行っている術前放射線化学療法施行例についても同様の検討を行い、放射線化学療法の放射線単独療法に対する優越性の検討、放射線化学療法の効果の予測などを行っていく予定である。
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