研究課題/領域番号 |
12671334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
大槻 勝紀 (2001) 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
立花 秀一 (2000) 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90216987)
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研究分担者 |
時津 浩輔 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60257855)
橋本 隆彦 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90340570)
柴田 雅朗 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (10319543)
大槻 勝紀 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | アポトーシス / 温熱 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / ヒト肺癌細胞 / p53 / カスパーゼファミリー / カルシウム・キレート剤 / 小胞体Ca^<2+>-ATPaseの阻害剤 / ミトコンドリア経路 / デス・レセプター経路 / 温熱誘導アポトーシス / 細胞内Ca_<2+>濃度 / BAPTA / AM / Caspase-3 |
研究概要 |
組織型の異なる2種類のヒト肺癌細胞株を用い、温熱処理後からアポトーシスが実行される間の細胞内カルシウムイオン濃度変化を検討することを足がかりとし、非小細胞肺癌における温熱によるアポトーシス・シグナル伝達経路について検討してきた。 ヒト肺癌細胞を用いた温熱誘導アポトーシスにおける細胞内カルシウム濃度の経時的変化を測定し、ヒト扁平上皮癌細胞株(LK-2)において温熱後9時間前後におよそ250-300nMに至る細胞内カルシウムイオン濃度上昇の持続を認めた。また同一細胞株で、細胞内カルシウム・キレート剤(BAPTA/AM)処理を温熱前に行うことでアポトーシス誘導率は減少した。しかし選択的小胞体Ca^<2+>-ATPase阻害剤(thapsigargin)による処理では、処理時間や培養液中のカルシウムの有無によるアポトーシス誘導率に変化はみられなかった。一方、ヒト大細胞癌株(LU65A)ではいずれの実験でもアポトーシス誘導率は変化しなかった。ウエスタンブロットで調べたアポトーシス関連タンパク質のうちBaxとBc1-2の発現は温熱により変化はみられなかったが、p53はLK-2細胞株でのみ明らかに発現の増加がみられた。免疫染色によるLK-2細胞のp53の局在は細胞質内に優位であることから、このp53タンパクは機能を失っていると考えられた。2種類の細胞株ともに温熱処理によってカスパーゼ3,8,9のいずれの活性も上昇した。 以上の結果から、ヒト扁平上皮癌細胞株では一過性の細胞内カルシウム濃度上昇が初期の温熱誘導因子として重要と考えられた。また2種類のヒト肺癌細胞株ともに温熱誘導アポトーシスはp53非依存性のmitochondrial pathwayとdeath receptor pathwayとの'cross-talk'によって誘導されると推測される。
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