研究課題/領域番号 |
12671337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 千葉県がんセンター |
研究代表者 |
越川 信子 千葉県がんセンター, 病理研究部, 上席研究員 (90260249)
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研究分担者 |
藤澤 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院・胸部外科学, 教授 (80110328)
飯笹 俊彦 千葉大学, 大学院・医学研究院・胸部外科学, 助手 (10272303)
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 病理研究部, 部長 (20171572)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / CD40リガンド / Fasリガンド / TNF-α / 肺がん / 肺転移 / 抗原提示 / 樹上細胞 / 樹状細胞 |
研究概要 |
細胞性免疫の主体を担うキラーT細胞を誘導するにはまず、抗原提示細胞の活性化が必要である。そこで、抗原提示の主たる役割を担う樹状細胞の活性化を遺伝子導入によって行ない、遺伝子治療による肺がんに対する治療の可能性を検討した。本研究では、TNFファミリーであるCD40リガンド、Fasリガンド、TNF-αの遺伝子を肺がん細胞に導入発現させ、樹状細胞の表面に発現されているCD40、Fas分子を介する活性化が可能であるか、あるいは樹状細胞の成熟化に関与するTNF-αによる抗腫瘍効の惹起が可能であるかどうかを検討した。そこで、肺高転移株であるマウス・ルイス肺がん細胞にこれらの遺伝子を導入し、各遺伝子導入腫瘍の増殖能を検討した。その結果、(1)CD40リガンド遺伝子導入腫瘍を同系マウスの皮下に接種した場合、腫瘍の増大が著明に抑制され、また肺転移数が減少した。一部のマウスでは、CD40リガンド遺伝子導入腫瘍を拒絶したが、これらのマウスには腫瘍特異的免疫応答が成立していた。(2)Fasリガント遺伝子導入細胞は、腫瘍を形成せず、完全に拒絶された。また、自然肺転移も著しく減少していた。Fasリガント遺伝子導入細胞を拒絶したマウスには腫瘍特異的な獲得免疫が生じていた。(3)TNF-α遺伝子導入細胞の腫瘍増殖能は親株のそれと変わらなかったが、肺転移巣数は激減していた。実際に、樹状細胞の活性化等が見られるかどうかを、マウス骨髄細胞をIL-4とGM-CSFとで培養後して得られた樹状細胞と、遺伝子導入細胞を共培養して検討した。その結果、Fasリガント遺伝子導入細胞と樹状細胞はクラスターを形成し、CD40リガンド遺伝子導入細胞と共培養した樹状細胞のCD86の発現上昇した。したがって、CD40リガンドとFasリガントは樹状細胞の活性化と抗原獲得のそれぞれのプロセスに作用したと考えられた。
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