研究課題/領域番号 |
12671372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
吉井 與志彦 琉球大学, 医学部, 教授 (50110507)
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研究分担者 |
野崎 真敏 沖縄衛生環境研究所, ハブ研究室, 室長
孫 連坤 琉球大学, 医学部, 助手 (40325840)
斉藤 厚志 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (40305199)
鶴嶋 英夫 琉球大学, 医学部, 助手 (50315470)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 沖縄ハブ毒 / L-amino acid oxidase / metalloprotease / 血管内皮細胞 / グリオーマ細胞 / アポトーシス / 酸化ストレス / OHAP-1 / L-aminoacid oxidase / 移植腫瘍 / グリオーマ / 抗腫瘍効果 / ハブ毒 / アミノ酸構造 / OHAP-I / OHAP-II / クリオーマ / 皮下移植腫瘍 / プロティン / 殺細胞効果 |
研究概要 |
悪性神経膠腫に対する有効な治療法は、腫瘍のみをターゲットにした治療感受性に左右されない、きめ細かな理論的治療法が望まれる。近年、腫瘍血管の新生阻止、腫瘍細胞に対する血管新生誘導物質分泌阻止による治療法もクローズアップされてきている。自然界において、血管内皮細胞にtargetを持つ物質の代表に蛇毒がある。近年、ガラガラ蛇毒(crotalus atrox)からVAPとVAP-2の蛋白(metalloprotease/disintegrin family)やPhospholipaseA2も分離同定され、それがapoxin Iの効果であると示唆されている。ハブ毒素(trimeresurus flavoviridis)にもmetalloprotease/phospholipaseを有しており、同様の作用があるのではないかと推定し、ハブ毒素による悪性神経膠腫細胞・腫瘍血管内皮細胞のみをtargetにした選択的な抗腫瘍効果を得る研究法を考えるに至った。今回の研究に於いて、1)ハブ毒素粗大蛋白分画を抽出し、更にその細胞増殖抑制効果のある粗大分画を細分画し、細胞増殖抑制効果のある蛋白量を決定した。2)細胞増殖抑制効果のある蛋白質は、1つはL-amino acid oxidase活性を認める分子量約55kDa、他の1つはprotease活性のある分子量約25kDaの蛋白質であることを決定した。3)高分子量と低分子量の蛋白が細胞内の過酸化物塵生、これによるアポトシス誘導かあるいは細胞周期の進行を止める可能性を示唆し、一方でアポトーシス関連遺伝子を介した細胞増殖抑制効果を示した。4)分子量約55kDaのハブ毒素蛋白のアミノ酸構造は、L-amino acid oxidaseであることが判明した.我々はこの蛋白質をOHAP-Iと命名した。5)他の分子量約25kDaのハブ毒素蛋白はprotease活性を持ち、HR2a(奄美ハブ毒素蛋白)と極類似したアミノ酸構造を持つ蛋白質であった。我々はこれをOHAP-IIと命名した。6)OHAP1がin vivoでもグリオーマ細胞のアポトーシスを誘導でき、瞳瘍の増殖と血管形成に対して抑制効果を認めた。OHAP1の抗腫瘍効果を期待できる。こと等を明らかにした。
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