研究概要 |
高気圧酸素がラット急性脊髄損傷におけるiN0SとGDNFへ与える影響 方法:急性脊髄損傷作成後30分以内にHBO施行。1回のみをA群、その後も行なった群をB群、脊髄損傷のみをコントロールとした。損傷脊髄から経時的にtotal RNAを抽出しRT-PCRでGDNFmRNAとiNOSmRNAのsingle bandの検出を確認後Light cyclerで定量化。 結果:GDNFmRNAとiNOSmRNAはHBO投与1日後、A・B群ともコントロールと比べ減少したが2日以降に差は認めず、A群・B群間にも差は認めなかった。 考察:HBOはGDNFmRNAとiNOSmRNAの量という観点からは損傷後30分以内に効果があり以後回数を増やしても効果は期待できない。 ラット脊髄損傷での経時的なGDNFの発現 方法:急性脊髄損傷を作成、損傷脊髄からtotal RNAを抽出しGDNFmRNAの発現の経適を定量分析。また抗GDNF抗体を用いた免疫染色を行う。 結果:RT-PCRではGDNFmRNAは損傷後30分で上昇、3時間でコントロールの10倍に達し減少、4週でコントロールと同程度に戻った。免疫染色ではGDNFは脊髄横断面全体に散在。コントロールではGDNF陽性細胞は脊髄前角にあるneuronと思われるNSE陽性細胞に弱く存在、ED-2,OX-42,GFAPと重なりは認めず。損傷後1日では損傷中心部にNSE陽性細胞はみられず、GDNF陽性細胞はED-2,OX-42と重なりがみられGFAPとは重ならなかった。GDNFはコントロールではneuron、損傷後はmacrophage, microgliaに存在すると考えられた。 孝察:受傷後数時間でGDNFmRNAがup-regulateされていた。免疫染色ではGDNFはmicroglia, macrophageに存在し、損傷後の組織保護・修復に関与していると推察された。
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