研究概要 |
研究方法 日本白色家兎35羽を使用した。膝内側側副靭帯を大腿骨付着部で切離し、同部より外側に向けて直径3.5mm,長さ10mmの骨プラグを採取した。大腿骨内側顆部には内側に開口する骨ソケットが形成される。骨プラグは海綿骨側3mm切除し皮質骨の付いた骨プラグと,皮質骨側を3mm切除し海綿骨のみとなった骨プラグの2種に形成した。移植腱の誘導用に骨ソケットの盲端より大腿骨外側皮質を貫くように直径1mmの骨孔を作製する。ついで,半腱様筋腱を採取した後、折り返しループ状にしてナイロン糸をかけておく。先に形成した骨プラグと接するようにループ状にした腱をナイロン糸を用いて骨ソケット内に骨孔を利用して誘導し、これを外側皮質上にpull out固定した。右膝は海綿骨のみの骨プラグを用い(海綿骨群),左膝は皮質骨を付けた骨プラグを用いた(皮質骨群)。骨外の腱は切離した内側側副靭帯と緊張下に縫合した。 両群を組織学的、生体力学的に比較検討した。 現在までの成果 組織学的には,皮質骨群の方が移植腱と骨とは密に結合しており、正常靭帯付着部に類似する傾向を認めた。 力学試験では最大破断荷重は両群ともに経時的に増加した。さらに術後4週では皮質骨群が海綿骨群に比べ有意に大きいことが判明している。 成果は平成13年度発表予定である。
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