Ratにendotoxin投与により、敗血症modelを作成。2時間後に、血中カテコラミン濃度、beta-agonistに対する心筋収縮機能の反応、さらに心筋を取り出し、心筋のreceptorの減少が引き起こされるのかについ検討した。すると、ndotoxin投与2時間後には、血中カテコラミン濃度の上昇、beta-agonistに対する心筋収縮機能の反応の低下、さら心筋のbeta-receptorの減少が引き起こされることが観察された。これらの現象が、敗血症中での心不全の原因と判明した。心筋のbeta-receptorの減少が引き起こされる原因の検索として、beta-adrenergic receptor kinaseの量を測定したところ、cytosolからmembraneへのtranslocationが増強されていることを発見し得た。 これらの観察結果は、心筋の細胞内伝達系システムの変化とreceptorの作用の減弱を制御する因子が、強く関連しており、しかもそれらの変化はbeta-adrenergic receptor kinaseが制御していることを示している。 研究1年目で、心筋の分子生物学原因の一端を解明することとができ、研究2年目では、中枢神経障害のさらなる分子生物学原因の一端を解明することが目標である。
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