研究課題/領域番号 |
12671456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
冨士原 秀善 (富士原 秀善) 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251803)
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研究分担者 |
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 助教授 (70181419)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 脳血管 / 低分子量GTP結合タンパク / Y-27632 |
研究概要 |
静脈麻酔薬による脳血管平滑筋収縮機構の変化を明かにするために、 1)脳血管収縮機構の変化を収縮タンパクを制御する酵素活性のレベルで観察するために、摘出細胞膜可透過脳血管標本を用いて、細胞内カルシウム濃度を一定に保った状態で収縮そのものがどのように変化するか(収縮のカルシウム感受性の変化)を測定した。また、ミオシン脱リン酸化酵素の活性に対する影響を薬理学的に明らかにした。 2)平滑筋のカルシウム感受性亢進において重要な働きをしていると考えられている低分子量GTP結合タンパクの一つであるRhoA、およびその下流に位置するリン酸化酵素Rho-Kinaseを各々の特異的抑制薬であるC3酵素、Y-27632を用いて抑制し、脳血管平滑筋収縮機構が低分子量GTP結合タンパクRhoA、Rho-Kinaseを介するかどうかを解析すると同時に、血管拡張作用のある静脈麻酔薬がどのように影響するかを観察することにより、脳血管攣縮の治療の可能性を検討した。 その結果、ブタ脳血管収縮において、1)収縮のカルシウム感受性の亢進の機序として、低分子量GTP結合タンパクRhoAおよびその効果器の一つであるRho-kinaseを介する機序が存在していること、2)静脈麻酔薬ケタミン、サイアミラール、プロポフォールは、一定の細胞内カルシウム濃度において、RhoA/Rho-kinaseによるカルシウム感受性の亢進には、影響を及ぼさないこと、3)ミオシン脱リン酸化酵素活性に対して、静脈麻酔薬ケタミンは、高濃度でこれを促進すること、4)ブタ脳血管にも、RhoA, Rho-kinase, RhoGDIが存在することが解った。 今後、さらに、特に、ミオシン脱リン酸化酵素活性に対する静脈麻酔薬の作用のメカニズムについて、また、もう一つの血管収縮の情報伝達経路の1つである、PKCについて、いずれのisoenzmymeが関わっているのかを検索する必要がある。 脳血管収縮すなわち脳血管攣縮ではないが、ヒトにおけるくも膜下出血後の脳血管攣縮の薬理学的治療手段の1つとして、RhoA-Rho-kinaseによるカルシウム感受性の亢進を抑制することが有用である可能性は高いと考えられる。
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