研究課題/領域番号 |
12671497
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊吹 京秀 (伊吹 たか秀) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90232587)
|
研究分担者 |
廣瀬 宗孝 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50275228)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 炎症 / 中枢神経血管内皮細胞 / シクロオキシゲナーゼ2 / プログランディン / 痛覚過敏 / サイトカイン / プログランディンE_2合成酵素 / 中枢感作 / 炎症性サイトカイン / プロスタグランディン / PGE合成酵素 / シクロオキシゲナーゼ / 炎症性疼痛 |
研究概要 |
免疫系・神経系間の情報伝達機構をプロスタグランディン(PG)に着目し研究した。炎症性痛覚過敏の発症機序において、初期の段階では炎症局所でマクロファージ、単球などにより産生されるPGが、知覚神経末端の興奮性増強作用を介し関与する。またPG合成の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ2(COX-2)合成阻害剤の局所的予防的投与が、痛覚過敏症の予防に有効であった。次に炎症発症後、中期から後期において、脳脊髄液中のPGE_2レベルが著増し、PGE_2の増加も痛覚過敏もCOX-2阻害剤を炎症中期に全身投与することにより制御されるが予防的投与は無効であること、特に痛覚過敏の制御には脊髄くも膜下膣投与が少量で有効であること、痛覚過敏症状とPGE_2レベル、COX-2発現の程度が相関することが明らかになった。中枢神経系におけるPGE_2産生細胞の同定を行ったが、COX-2、PGE_2合成の最終段階酵素であるPGE_2 synthase (PGES)及びPGES mRNAは中枢神経血管内皮細胞に存在すること、COX-2、PGESは同一血管内皮細胞に共存し共存率は90%以上であること、さらにこれらの細胞は脳・脊髄に広く分布することが分かった。これは、COX-2発現、PGE_2産生が神経細胞でおこるという既存の説に対し、画期的で、末梢性炎症に伴う発熱、全身倦怠痛覚過敏その他の全身性の中枢神経症状発症機序の解明に有力な手がかりになるのみならず、血管内皮細胞上の受容体にサイトカインが結合するとPG合成がおこるという研究結果から、局所からの炎症情報が中枢神経系に伝達される機序に関する仮説の有力な根拠となった。つまり局所で産生される炎症性サイトカインが血行性に中枢神経血管内皮細胞に情報伝達を行うという仮説で、関与するサイトカインの同定に関して初期の結果は得たが、その確定、メカニズムの全容解明が今後の課題である。
|