研究課題/領域番号 |
12671502
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
外 須美夫 北里大学, 医学部, 教授 (60150447)
|
研究分担者 |
岡本 浩嗣 北里大学, 医学部, 助教授 (50224077)
川崎 俊宏 北里大学, 医学部, 助手 (80253433)
竹中 智昭 北里大学, 医学部, 講師 (00179657)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 心臓手術 / 脳障害 / 冠動脈バイパス術 / 塞栓 / 人工心肺 / 空気塞栓 / 経食道心エコー / 脳卒中 / 脳機能 / 麻酔 / 空気寒栓 / 脳合併症 / 高次脳機能 |
研究概要 |
文献検索により、心臓大血管手術後の脳障害とりわけ高次脳機能障害の成因の分析を行った。脳卒中(stroke)は心臓手術の約1-5%で発生した。また、認知機能を含めた高次脳機能障害の発生率は30%-80%であった。冠動脈バイパス術(CABG)後の脳卒中の頻度は75歳以上の高齢者では9%と全体平均の3%に較べて3倍にまで上昇する。心臓手術後の脳卒中発生患者のうちの65%が遅発性に発生した。脳障害の主な成因は塞栓と脳血流低下であった。また、脳卒中の成因に粥状硬化片が大きく関与していた。患者の危険因子には年齢と脳血管病変と上行大動脈の硬化病変が特に重要であることが示唆された。本研究で、経食道心エコーと呼気二酸化炭素濃度測定を併用する新しい心腔内残留空気除去法を試み、本方法の脳機能障害に及ぼす効果を検討した。人工心肺離脱前に肺血流を増加させて肺血管系の空気を除去するため、リザーバーを徐々に上昇させることで体外循環のポンプ流量を減らすことなく肺血流を徐々に増加させることができた。肺血流がどの程度確保されているかは呼気二酸化炭素分圧(25mmHg以上)と肺動脈圧(前値の75%以上)で評価した。左心ベントにより肺静脈から戻る血液を十分に吸引しリザーバーに戻し、左心ベント吸引の有効性と空気の非存在を経食道心エコーで確認した。このようにして心腔内の残存空気を除去し、人工心肺後の空気塞栓による脳合併症の発生の予防効果を検討した。その結果、本方法により空気除去は可能になったものの、100%の空気除去は達成できず、また、この方法だけで脳合併症を有意には予防できないことがわかった。このことから、空気は塞栓子として重要ではあるが、心臓手術後の脳障害に関しては、粥状硬化片塞栓子や脂肪塞栓子などの存在が関与しており、それに人工心肺の灌流圧、温度、時間、pHなど多因子が加わって生じると考えられた。
|