研究課題/領域番号 |
12671510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中谷 壽男 関西医科大学, 医学部, 教授 (70188978)
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研究分担者 |
新谷 裕 関西医科大学, 医学部, 助手 (90309229)
赤堀 道也 関西医科大学, 医学部, 助手 (80278605)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 動物血中ケトン体比(AKBR) / ミトコンドリア / 肝細胞 / エネルギー産生 / supernormal level / 侵襲 / 出血性ショック / 敗血症 / AKBR / 動脈血中ケトン体比 / 肝ミトコンドリア / 機能亢進 |
研究概要 |
動脈血中ケトン体比(AKBR)は肝ミトコンドリアの酸化還元状態を静脈血で把握しうる指標として国内で提唱され、移植外科、消化器外科、救急集中治療領域で広く測定されてきた。AKBR正常下限は1.0と規定され、正常より低い場合には、肝臓の種々の機能障害が起きる。一方、AKBRが正常下限を超えて正常域に入った場合には、安全域に入ったと考えられ、肝機能についても回復したものと考えられていた。 ところが、救急医学領域でAKBRが大きく上昇される現象がしばしば観察された。とくにショックや敗血症でAKBRが低下した後の回復期には、AKBR高値の持続が観察される。AKBRの正常上限についての論議や、さらなる高値(supernormal level)を示す場合の意義付けは論議されて来なかった。 本研究では、AKRBが正常と考えられる値を大きく超えて上昇する場合があるか否かも含めて、supernormal levelの意義付けを検討してきた。その結果、侵襲からの回復経過でAKBRは正常範囲に戻るだけではなく、正常と考えられる値を超えて2.5、3.0といったsupernormal levelに移行してゆく事実が多くの症例で確認された。さらに、MOF診断基準として広く用いられているSOFAスコアとの関連でこのsupernormal levelの意義付けを検討したところ、AKBRがsupernormal leve1を示す時期には、SOFAスコアが10点を超え、多臓器不全が進行中の症例が多いことが判った。この時期には、肝ミトコンドリア機能は機能亢進をして、需要に見合うべく肝におけるエネルギー産生を亢進させていることが判った。 すなわち、AKBR supernormal levelの間は、肝細胞でのエネルギー回復が不十分であるために肝ミトコンドリアが機能を亢進させている時期であること裏付けられ、肝ミトコンドリアでの代謝が安定した回復時期には入っていないことがあきらかとなった。
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