研究課題/領域番号 |
12671532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
永井 敦 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (10207962)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 勃起障害 / 心血管障害 / 高血圧 / 陰茎海綿体圧 / 内陰部動脈 |
研究概要 |
勃起障害に対する経口治療薬としてPDE5阻害剤があるが、心血管系障害患者に対する投与については安全性が確認されておらず、また、硝酸剤、NO供与剤投与中の患者には禁忌である。今回、心血管系障害の一つである高血圧患者における陰茎血管系の構造変化に伴う勃起機能に対する影響について検討する目的で検討を行った。 高血圧に伴い全身の小血管において内腔の狭小化・壁の肥厚といった構造的変化が生じ、血管抵抗が増加することは知られているが、この高血圧性変化が陰茎血管においても認められる事を明らかにした。高血圧モデルラット(SHR)と正常ラット(SD)を用い、内陰部動脈系潅流モデル実験系により後肢(H)血管ならびに陰茎海綿体(P)の圧測定を行った。 まず、血管最大弛緩時の還流圧は同じ系統のラット内においてHとPにおいて有意差はないものの、SHRにおいてはH血管潅流圧がSDに比較し有意に高く、P潅流圧においても同様の傾向を認めた。次にα_1受容体作用薬であるmethoxamine(MXA)を投与して濃度反応曲線を求めた。MXA濃度反応曲線における感度はすべてのラットの系統、血管床において有意差は認めなかった。最大効果が得られる以上の高濃度のMXAに対する収縮反応では、H血管においてSHRがSDに比べ有意に高い値を示した。このような差異は陰茎血管では認められなかった。 これらの実験結果より、高血圧ラットにおいて陰茎血管では他の血管と同様な内腔の狭小化・壁の肥厚等の構造的変化が起こっていることが明らかとなった。また、陰茎血管はこれらの構造的変化からは保護されていない事が示唆され、高血圧に伴い陰茎血管に流入する血流が減少し勃起機能に悪影響をおよぼす一因となる事が考えられた。この事実はヒトにおける高血圧においても同様のことが指摘できると考えられ、心血管系障害を伴う勃起障害患者に対するPDE5阻害剤投与に関しても何らかの方向性を示唆されるものである。
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