研究課題/領域番号 |
12671543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関 成人 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (90294941)
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研究分担者 |
寺本 憲功 (寺本 憲均) 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (40294912)
伊東 祐之 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80037506)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ヒト排尿筋 / ATP / プリン受容体 / カリウムチャネル / 神経-筋伝達 / アセチルコリン / パッチクランプ法 / スルフォニルウレア受容体 / ヒト膀胱排尿筋 / 細胞内微小電極法 / 脱分極 |
研究概要 |
ヒト排尿筋単離細胞を用いてパッチクランプ法による検討を行った。保持電位-60mVでコンベンショナルホールセル状態を作成すると、時間と共にゆっくりとノイズのある内向き電流が記録され、この内向き電流は、選択的スルフォニルウレア受容体阻害薬であるグリベンクラミドの投与により抑制された。グリベンクラミド感受性電流成分は内向き整流性を示した(逆転電位はカリウムイオンの平衡電位とほぼ一致し0mV)。次に、ピペット内液にATPを500μM添加した状態でコンベンショナルホールセルを作成すると、この内向き電流は記録されなかった。以上より、この内向き電流は細胞内ATP及びグリベンクラミド感受性カリウム電流である可能性が強く示唆された。またK_<ATP>チャネル開口薬であるピナシジル100μMを投与すると直ちに内向き電流が惹起され、この電流はグリベンクラミド5μM追加投与によりほぼ完全に抑制された。シングルチャネル記録法であるセルアタッチ法による検討では(保持電位-60mV、細胞内液および細胞外灌流溶液のK^+濃度140mM)、ピナシジル100μM投与後、約4.8pAの単一電流振幅のK^+チャネル活性が惹起された。このチャネル活性はグリベンクラミド1μMおよび10μMの追加投与により濃度依存的に抑制され、その除去により投与前の状態まで回復した。セルアタッチ状態からインサイドアウトを形成するとただちにチャネルの活性化が観察され、このチャネル活性はATP100μM投与によりほぼ完全に抑制された。また、インサイドアウト状態でATP100μM存在下においてUDP 1mM追加投与してもチャネルの活性化は観察されなかったが、ピナシジル100μMを追加投与すると約4.8pAのチャネル活性が観察された。シングルチャネル記録法下の電流電圧関係より、チャネルコンダクタンスはセルアタッチ法で約79pS、インサイドアウト法では約82pSであった。以上より、チャネルコンダクタンスがKir6.2のチャネル発現系実験の結果とほぼ一致し、しかも細胞内ATP感受性が他の平滑筋に比較して高い点から考えて、ヒト膀胱平滑筋型K_<ATP>チャネルのKir蛋白タイプは、主にKir6.2である可能性が強く示唆された。
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