研究課題/領域番号 |
12671558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
宮地 系典 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (20229850)
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研究分担者 |
石川 博通 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (60112679)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ヒト精子 / 先体反応 / 血漿 / アデニルプリン / 顆粒膜細胞 / 精漿 / アルブミン |
研究概要 |
血漿、精漿中にはアデニルプリンが存在した。血漿ではATPが約50%を占め、アデノシン、cAMPは検出限界以下であった。一方、精漿ではアデノシンが約57%を占め、ATPは1%以下であり、両者のアデニルプリン構成比は大きく異なっていた。精漿にATPを添加し、代謝動態を経時的に観察した結果、ADP、AMP、.アデノシンが経時的に増加し、脱リン酸化による加水分解が観察された。血漿にATPを添加し、代謝動態を経時的に観察した結果、精漿とは異なり、プリン骨格自体の分解によりアデニルプリンが消失することが観察された。精漿にアデノシンが蓄積する原因として、精漿、血漿のプリン代謝動態が大きく異なることが重要な役割を果たしていると推測された。 前項に示したように、精漿にはアデニルプリン分解活性が存在するので、キャピラール直線密度勾配法にょり精子を調製した。酸性フォスファターゼ活性を指標として調製精子懸濁液中の精漿残存率を測定した結果、0.003%であり、同懸濁液中におけるATPの安定性を確認した。 ATPは先体反応誘起を促進し、その作用はATP受容体拮抗漿により消失した。種々のATP受容体作動漿の影響を検討した結果、UTPが最も強い先体反応誘起促進作用を示した。ATP、UTPによる先体反応誘起促進作用は、PKC阻害剤、Caチャネル阻害剤により消失した。一方、アデノシンは濃度依存的に先体反応誘起を抑制した。 卵周囲を覆う顆粒膜細胞がATPを分泌している可能性が示された。 以上の結果から、精液中ではアデノシンが先体反応を抑制し、精漿から離脱した雌性生殖路ではATPが先体反応を促進している可能性が示唆され、アデニルプリンが先体反応に重要な役割を果たしている可能性がある。
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