研究課題/領域番号 |
12671582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
己斐 秀樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20280969)
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研究分担者 |
清水 康史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80242197)
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50126223)
麻生 武志 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60093176)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | トロンビン / トロンビンレセプター / 栄養膜 / 浸潤 / matrix metalloproteinase / 絨毛外栄養膜細胞 / protease-activating receptor / 胎盤 / 栄養膜細胞 / 増殖と分化 / matriz metalloproteinase / protease-activated receptor / prothrombinase / 絨毛外栄養膜 / 脱落膜細胞 |
研究概要 |
絨毛外栄養膜の浸潤機能における、protease (thrombin)の作用より活性化させるレセプターprotease-activated receptors (PARs;主にトロンビンレセプター)発現と機能に注目した。倫理委員会の承認と患者の同意を得、分離した培養絨毛外栄養膜細胞(EVT)でのPARsの発現を検討した。1)妊娠18週から20週の胎盤組織の免疫組織染色で、絨毛外栄養膜に、PARR1,PAR2,PAR3の特異的な発現を認めた。2)培養EVTのNorthern blottingでPAR1,PAR2およびPAR3の発現を認めた。PAR4の発現は認めなかった。3)トロンビン添加は、培養EVTの増殖を有意に抑制した。PAR2活性化peptide; SLIFKVの添加は影響を与えなかった。4)in vitro invasion assayで、トロンビンおよびSLIGKV添加は培養EVTの浸潤を有意に促進した。トロンビンとトロンビンレセプター(主にPAR1)が増殖型から浸潤型への絨毛外トロフォブラストの分化を制御する因子の一つであることが示唆された。5)zymographyにより、培養EVTではMMP9よりMMP2が主体で、トロンビンの添加により活性型MMP2が有意に増加した。MMP1ないし3の分泌が増加した。6)Western blottingでは、cell lysateには、活性化MMP2のみが認められトロンビン添加により有意に増加した。7)flow cyotometryではトロンビンの添加によりMT1MMPの発現が有意に増加した。以上の結果より、トロンビンによる培養EVTの浸潤能の亢進には、栄養膜細胞表面でのMT1MMPの発現が高まり、MMP2の活性化が増加することが関与することが明らかになった。一方、8)RT-PCRにより、培養EVTにpro-thrombinase活性を持つ新たな分子;fg12のメッセージが確認された。Western blottingでEVTのprothrominase活性が明らかになった。prothrombinの添加は、thrombinと同様にEVTの増殖を有意に抑制した。今回の研究で、トロンビンレセプターの発現がmatrix metalloproteinaseを介してEVTの浸潤能を制御しており、着床や胎盤形成に関わることが明らかになった。EVTはprothrombinase活性を持ち、その活性が異常に亢進する状態では、過度の血栓形成とmatrix metalloproteinaseの活性化による細胞外基質の破壊が進み、流産や早産などの病態を生じうることが示唆された。
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