研究課題/領域番号 |
12671612
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平川 俊夫 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (20218770)
|
研究分担者 |
園田 顕三 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (30294929)
小林 裕明 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (70260700)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 卵巣癌 / 薬剤耐性 / YB-1 / cMOAT1 / MRP2 / MRP1 / MRP3 / MRP-2 / P糖蛋白 / MRP-1 / MRP-3 |
研究概要 |
YB-1核内発現とシスプラチン耐性との関係をヒト由来卵巣癌細胞株と手術標本を用いてそれぞれ解析した。まず、耐性細胞株ならびに親株におけるYB-1の局在をWestern blot解析を用いて解析した。さらに原発巣と転移巣の組織標本がそろった35症例について、免疫組織学的にYB-1の核内発現を評価した。核分画と細胞質分画の抽出物についてのWestern blot解析によれば、シスプラチン耐性細胞株では感受性のある親株の細胞に比べて、核内YB-1発現が著しく高かった。免疫組織学的検討では、10症例については原発巣のYB-1核内発現が陰性であったものが再発巣では陽性となったが、2症例では反対に陽性から陰性に変化した。以上より、YB-1の核内発現は卵巣癌において獲得性シスプラチン耐性に関連があると考えられる。 30例の進行卵巣癌症例(原発性漿液性腺癌)において腫瘍組織中のMDR1、MRP1、MRP2、MRP3mRNAの発現をreal-time RT-PCR法にて検討した。症例は、初回治療後の臨床経過により予後不良群(8例)、予後良好群(11例)、中間群(11例)の3群に分けた。MRP1とMRP3の相対的mRNA量をみると、予後不良群では予後良好群に比較して有意に高値であった。またMRP1とMRP3のmRNA量は有意に相関しており、MRP1の相対的mRNA高値は無増悪生存期間が短いことと有意に関連していた。一方MRP2の相対的mRNA量は、MRP1ならびにMRP3との相関はなく、予後との関連も見出せなかった。以上より、進行性卵巣漿液性腺癌症例では、MRP1とMRP3のmRNAの相対的高値は予後不良症例の特徴であり、MRP1mRNAの相対的高値は無増悪生存期間の短縮を予測する指標として有用であると考えられる。
|