研究課題/領域番号 |
12671664
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00188161)
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研究分担者 |
胥 宝会 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00264408)
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70117472)
宮口 衛 東大阪市立総合病院, 耳鼻咽頭科, 部長 (70166130)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 活性酸素 / 酸化的DNA損傷 / 鼻副鼻腔癌 / 慢性炎症 / 発がん / ヒト |
研究概要 |
平成12年度:我々はヒト鼻・副鼻腔粘膜の酸化的DNA損傷、8-hydroxydeoxyguanosine (80HdG)の測定法を検討した。80HdGはDNAを粘膜より抽出し酵素でヌクレオシドに分解し、HPLCで分離後電気化学検出器(ECD)で検出する。我々は、測定精度を確保するためヌクレオシド作成までを嫌気性培養装置内で行った。またヌクレオシドを直接HPLC-ECDで測定するとノイズのため測定できない試料があったため、ヌクレオシドを限外濾過し不純物を除いた。その結果、鼻副鼻腔粘膜の8OHdGをHPLC-ECDで測定できることが可能となった。 平成13年度:上記の測定法を用い、ヒトより得られた正常鼻粘膜、鼻茸、慢性副鼻腔炎の粘膜、乳頭種の8OHdG値を測定した。ヒトサンプルは、東大阪総合病院耳鼻咽喉科において、術前に本研究の目的、測定する項目を口頭並びに文書で説明し、同意し同意書にサインして下さった患者さんより頂いた。8OHdG測定値(単位8OHdG/10^5dG)は、正常粘膜0.54(n=4)、鼻茸0.59(7)、慢性副鼻腔炎0.48(7)、乳頭種0.43(3)であった。 本研究では炎症粘膜や病変部での8OHdGの増加は観察できなかった。その原因として炎症の程度が比較的軽度であったことが考えられる。近年上顎がんは減少しているが、感染源や増悪因子の減少並びに薬物療法の進歩や宿主状態の改善等により慢性副鼻腔炎が軽症化し、発がん過程を進めるだけのDNA損傷が誘発されなくなっている可能性が考えられた。本研究では、測定の難しかった臓器・組織の8OHdGを限外濾過を組み合わせることにより測定しえたこと、ヒト鼻・副鼻腔粘膜の8OHdGを世界で初めて測定し上記の値を提示できたこと等、今後のヒト発がん研究に対して有用な情報を提供することができたと考えている。
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