研究課題/領域番号 |
12671694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 俊明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90191858)
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研究分担者 |
富田 浩史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302088)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 網膜色素上皮 / サイトカイン / 虚血 / 血清 / VEGF / bFGF / TCFβ / bFTGFβ / TGFβ |
研究概要 |
加齢黄斑変性は網膜色素上皮細胞(RPE)、Bruch膜、脈絡膜レベルの加齢変化のために、脈絡膜新生血管が網膜下に発生し、黄斑部網膜を中心にさまざまな程度の、出血、惨出物、漿液性網膜剥離等をきたす。この中心窩にCNVが形成された場合、現在のところ確立された治療法はない。その原因の1つに、この疾患の病態にまだ不明の点が多いことがあげられる。我々は、手術時に得られる新生血管膜よりmRNAを抽出し、新生血管に関与すると考えられる増殖因子などの発現を、他の増殖膜と比較して発現量を比較したが、新生血管に発現しているサイトカインには繊維芽細胞増殖因子(bFGF),血管内皮細胞増殖因子(VEGF),腫瘍変換増殖因子(TGFβ)などが重要な役割を示していることが判明した。臨床像と比較すると、VEGFやTGFβは新生血管の形成の比較的初期に発現すると考えられ、bFGFは新生血管の大きさに比例して発現が増加することが推測された。in vitroの実験では、RT-PCR以外にそれぞれの因子を添加して、血管内皮細胞を含んだゲル中で培養した結果、VEGFとbFGFは新生血管を促す因子と考えられたが、TGFβは新生血管をむしろ抑制する因子と考えられた。また、加齢に伴い後極部脈絡膜の血流低下が報告されたが、我々のin vitroの検討でも、培養RPEは低酸素では確かにVEGF遺伝子の発現が有意に増加することが判明した。我々は、さらにRPEをmicroporous filter上で培養し、RPEのバリアー機能に及ぼすサイトカインの影響を調べたが、bFGFはRPEのtight junctionに影響は及ばさないと考えられたが、VEGFは、今回は10ng/mlという比較的低濃度であったにもかかわらず、tight junctionに影響を与えることが推測された。RPEのtight junctionはやはり眼内炎症時に関与すると考えられる、IL-1βでもっとも大きく障害されると考えられた。
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