研究課題/領域番号 |
12671733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
渡部 眞三 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生理学部, 主任研究員 (10093486)
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研究分担者 |
三好 智満 大阪大学, 大学院・医学系研究科情報生理学講座, 助手 (70314309)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 網膜神経節細胞 / 軸索再生 / cAMP / 脳由来栄養因子(BDNF) / 毛様体栄養因子(CNTF) / Nipradilol / 電気刺激 / アポトーシス(apoptosis) / 成熟ネコ / 神経細胞死 / 再生促進 / Nipradiol / アポトーシス(apotosis) / ネコ / 視神経再生 / 軸索伸長速度 / α細胞 / プロテオグリカン / Neuroglycan C / 逆行性標識 / β細胞 / forskolin |
研究概要 |
成熟哺乳動物の網膜神経節細胞(RGC)の軸索である視神経線維は、切断されたら再生しないが、末梢神経系の環境では再生する。しかしながら軸索を再生したRGCの数は平均2%前後で、形や色を識別する機能を回復するのに不十分である。本研究では再生RGCの数を増加させ、軸索伸長速度を増加させる手段を検討した。 1.軸索切断されたRGCの生存 RGCの生存を促進する手段を調べるための基礎データとして、視神経切断後RGCタイプによる生存を調べた。β細胞が急速に死滅するのに対し、α細胞は軸索切断に対する高い耐性を持つことがわかった。さらに早期のβ細胞死はアポトーシスによることがわかった。 2.軸索切断されたRGCの生存促進 RGCの生存は軸索再生の前提であり、生存を促進することによって再生RGCの数が増えると考えられる。いくつかの神経栄養因子を眼球内に注入し、生存促進効果を調べた。さらにforskolin(cAMP合成酵素の促進剤)の添加で効果の増強を調べた。その結果、BDNF、CNTFとforskolinの組み合わせが最も高い効果を持つことを見い出した。また緑内障治療薬のnipradilolも同様の生存促進効果を認めた。いずれの場合もβ細胞の細胞死阻止に対して最も効果が高かった。さらにラットでは断端に電気刺激をすることでRGCの生存を促進できることを示した。この方法はコンタクトレンズ電極を使用することで、臨床応用が可能である。 3.軸索再生速度の推測 切断された軸索は3日後に末梢神経に伸長することがわかった。再生視神経線維の最速伸長速度を、平均1.1mm/日と推算した。α細胞の伸長速度が1.4mm/日で、最も高かった。 4.軸索再生促進 視神経切断時にBCF眼球内投与したところ、再生細胞数を3倍(6週)から4倍(4週)にすることができた。Nipradilolは再生細胞数を増加するとともに、最速軸索再生速度を1.7mm/日に促進することが明らかになった。
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