研究課題/領域番号 |
12671752
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
土佐 泰祥 昭和大学, 医学部, 講師 (60296986)
|
研究分担者 |
佐藤 兼重 昭和大学, 医学部, 教授 (50138442)
保阪 善昭 昭和大学, 医学部, 教授 (40156998)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 抗接着分子抗体 / 虚血再灌流障害 / 皮弁モデル / 抗LECAM-1抗体 / 抗VLA-4抗体 / 抗VCAM-1抗体 / Tacrolimus / Sprague-Dawleyラット / 虚血再潅流障害 / 抗ICAM-1抗体 / 抗LFA-1抗体 / 抗CP-2抗体 / 抗LLF-3抗体 / Spragw-Dawleyラット |
研究概要 |
【緒言】皮弁の生着・壊死において虚血再灌流障害で血管内皮細胞に起こる変化が生着を妨げ壊死をもたらす要因の一つになっていると考えられている。ラット皮弁の虚血再潅流障害モデルにおいて、Tacrolimus、セレクチンファミリーであるLECAM-1、免疫グロブリンスーパーファミリーであるVCAM-1、インテグリンファミリーであるVLA-4の抗接着分子抗体による経路遮断により虚血再灌流障害の炎症軽減への可能性について、実験を計画実施した。 【材料と方法】体重約250グラムの雄SDラットの右鼠径部に皮弁を作成し、9時間虚血の後再灌流を行う虚血再灌流障害皮弁モデルを作成する。抗体投与の治療群と生食投与の対照群とに分け、抗体は再灌流15分前に尾静脈よりI.V.にて投与し、対照群は同一条件で生食水を投与した。経過観察は7日間で、皮弁の生着領域および組織学的検索にて各群を比較検討した。 【結果】再潅流後7日目の皮弁生着領域の比較では、9時間虚血抗体投与群では対照群に比べ皮弁生着領域の向上が認められた。組織学的所見の比較では、対照群で炎症細胞浸潤や浮腫に加え一部壊死に陥っており、強い炎症所見が認められたが、抗体投与群では、炎症所見は認められるものの対照群より軽度であった。 【考察】Tacrolimus投与により炎症作用の著しい軽減が認められた。これは、T-cell活性化の初期反応であるIL-2などのmRNAの発現の抑制を介して、免疫抑制作用を発揮するが、今回の新知見により抗炎症薬としての可能性が示唆された。また、炎症初期に、白血球と小静脈内皮細胞のローリング現象への関与が示唆されるLECAM-1の抗体投与、白血球のローリングと接着への関与が示唆されるVCAM-1、VLA-4の抗体投与による炎症作用の著しい軽減を認めた。これらにより抗炎症作用としての有用性が示唆された。
|