研究課題/領域番号 |
12671760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
渡邉 俊英 (渡辺 俊英) 千葉大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (10301095)
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研究分担者 |
相崎 邦男 (相崎 邦雄) 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50323423)
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50236775)
山 満 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60230299)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | DMBT1遺伝子 / 口腔扁平上皮癌 / 癌抑制遺伝子 / 発現減弱・消失 / 第10番染色体 |
研究概要 |
第10番染色体長腕上の対立遺伝子の欠失は多くの種類の腫瘍で頻繁に起こっており、これらの欠失領域には癌抑制遺伝子が存在するものと推定されている。実際、10q25.3-26.1の領域にDMBT1遺伝子(deleted in malignant brain tumor gene)がつい最近同定された。DMBT1遺伝子については、主に、脳腫瘍、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌において遺伝子の欠失や発現低下・消失が報告されている。口腔癌では未だに第10番染色体の詳細な異常状況が検索されておらず、また、DMBT1遺伝子の構造異常と発現異常の検討も行われていなかった。 本研究において、まず、第10番染色体長腕上の異常状況を詳細に検討したところ、2ヵ所(D10S202:34.6%,D10S217:28.6%)の共通欠失点領域を口腔扁平上皮癌において同定した。さらに、DMBT1遺伝子が口腔扁平上皮癌の発生、進展に果たす役割を検討するために、以下の実験を行ない結果を得た。 1) DMBT1 locus、および、第10番染色体上のDMBT1遺伝子周囲の4種類のmicrosatellite markerについてLOH assayを行なったところ、DMBT1遺伝子周囲のLOHはどれも約8%程度と低率であったが、DMBT1 locusのうちD10S209とD10S587領域において比較的高い頻度を示した(それぞれ20.0%,22.7%)。 2) DMBT1遺伝子についてPCR-SSCP法により構造異常を検索したが、異常は認められなかった。 3) RT-PCR法により、DMBT1遺伝子のmRNAからcDNAを生成した。 4) 上記cDNAの電気泳動パターンから、DMBT1遺伝子の発現は67.8%の症例において減弱・消失していた。 5) これらの結果と臨床的所見との相関関係を調べたところ、組織分化度、リンパ節転移、予後等とDMBT1遺伝子の発現減弱・消失との相関関係は認められなかった。 以上の結果から、DMBT1遺伝子は口腔扁平上皮癌の発生・進展に凡く係わっており、その機序としては、遺伝子の構造異常ではなく、発現減弱・消失が重要であることが示唆された。
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