研究課題/領域番号 |
12671764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80251544)
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研究分担者 |
太田 正人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313228)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 頭蓋冠 / アデノウイルスベクター / 子宮外胎児手術法 / 髄膜層 / 骨形成 / Twist / 骨 / 頭蓋骨癒合症 / 線維芽細胞増殖因子受容体 / 増殖と分化 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
本研究では、まず、頭蓋冠の発生に深く関与する遺伝子の機能の解析を目的として、アデノウイルスベクターによるこれらの遺伝子のin vivoにおける局所的遺伝子発現制御の可能性を検討した。子宮外胎児手術法を用いてマウス胎児頭蓋冠皮下にeGFP(enhanced green fluorescent protein)を発現するベクター液を注入した。頭蓋冠組織は層構造として認められ、外側より皮膚、結合組織、骨形成層、髄膜層があり、その内側に脳が存在する。また、骨形成層における骨の形成は、側方部に各々の骨のドメインが出現し、それが次第に頭頂部に向かって成長していく。皮膚以外の層では、その注入を行った胎齢によって感染性に差が観察された。胎齢13.5日では髄膜層に感染する割合が高く、胎齢14日での注入では骨形成層、髄膜層、結合組織に、胎齢14.5日では主に結合組織のみへの感染が観察された。 未分化状態の維持に機能する転写因子Twistは、骨形成層では未分化細胞に、また髄膜層では胎生期を通じて発現が認められる。このTwistを発現するアデノウイルスベクターを胎児頭蓋冠の左側または右側の皮下に注入した。骨形成層にTwistが過剰発現した場合には、非注入側と比較して骨の厚みが薄くなる、すなわち骨形成量が若干低くなる傾向があるものの、特に目立った変化は観察されなかった。ところが、髄膜層にTwistが過剰発現した場合には注入側の頭蓋冠骨のドメインが成長せず、注入時の大きさからほとんど変化していなかった。また、髄膜層において発現するbone morphogenetic protein(BMP)などのいくつかの成長因子の発現が阻害されていた。これらの結果より、頭蓋冠骨の形成開始後の骨のドメインの成長には、髄膜からのシグナルが必要であり、そのシグナルは髄膜に発現しているTwistによって制御されている可能性が示唆された。この制御因子については引続き検討中である。
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