研究課題/領域番号 |
12671766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
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研究分担者 |
依田 浩子(米持 浩子) 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 唾液腺腫瘍 / p53 / 癌抑制遺伝子 / 遺伝子変異 / DNA / PCR / 塩基配列解析 / SSCP / 血管分布 |
研究概要 |
われわれは、唾液腺の悪性リンパ上皮腫にきわめて特異的にEBVの感染があることをみいだした。そこで、EBV感染がこの癌腫発生のどの段階に関与しているのかを検索するために、癌関連遺伝子変異状況を解析したいと考え、まずもっともヒト腫瘍で検索データの蓄積されているp53遺伝子について検索することを計画した。同時に、放射線被爆との関連性が明らかにされた粘表皮癌やワルチン腫瘍その他の唾液腺腫瘍についても同様に検索し、腫瘍間の異同につて検討することにした。 具体的には、これまでわれわれが収集してきた唾液腺腫瘍外科摘出材料のパラフィン包埋切片よりDNAを抽出して、p53遺伝子のホットスポットの集中するエクソン5〜7をPCR法で増幅し、直接シークエンス法による変異様式を解析することを計画したのである。この着想には、われわれが世界に例のない極めて多数のリンパ上皮腫症例のパラフィン包埋組織切片よりDNAを抽出して、ウィルス感染をPCR法増幅により検知可能にする研究技法を開発してきたところにあった。これらの技術を応用することによって、p53遺伝子についても解析が可能という展望がえられたわけである。その結果、リンパ上皮腫ではもっともp53遺伝子の広範かつ重篤な突然変異が症例間で共通した部位に生じていることが判明した。そのほかの腫瘍ではp53遺伝子変異頻度は少なくその程度も軽微であったものの、腫瘍種によって症例をこえて変異点が共通であることに注目された。さらに、それらの変異の一部は腫瘍種をこえて共通する部位に生ずる傾向があったことも新知見であった。 以上の結果より、唾液腺腫瘍の発癌にはp53遺伝子の特定領域の変異が何らかの関与をしていること、したがって、ウィルス感染、放射線被曝、あるいはそれ以外の未知の要因による唾液腺腫瘍発生機序のいずれでも同遺伝子変異が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。今後はこれら変異の生成機序またはその変異による遺伝子カスケードがどのように変化するかを検討していく予定である。
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