研究課題/領域番号 |
12671852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
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研究分担者 |
占部 秀徳 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10231185)
冨士谷 盛興 広島大学, 歯学部, 助教授 (60190055)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Er : YAGレーザー / CO_2レーザー / 接着性レジン / 象牙質接着 / 接着機構 / 接着界面 / 形態学的研究 / 分析化学的研究 / CO2レーザー / 形態学研究 / Er:YAGレーザー |
研究概要 |
Er : YAGおよびCO2レーザー装置を用い、レーザー処理象牙質面の性状変化とレジン系修復材料の接着性について検討を行った。走査電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察による形態学的検討の結果、レーザー処理象牙質表面においてはスメア層は認められず、亀裂や層状構造物等の構造欠陥が発生していた。また、熱画像解析装置によるレーザー照射表面温度の測定では、Er : YAGレーザーでは約200℃、CO2レーザーでは約750℃の温度に相当する熱の発生が確認された。さらに、エネルギー分散型蛍光X線分析装置ならびに微小硬度計による分析化学的検討を行った結果、被照射象牙質表層20-40μmにおけるCa、P両元素の濃度が減少し、また象牙質自体の硬度の低下が認められた。このような象牙質表面や表層の構造変化や性状変化に伴い、象牙質コラーゲン線維の高次構造が破壊され変性した一層が、Masson's Trichrome染色切片における光学顕微鏡観察、脱灰超薄切片における透過電子顕微鏡観察およびX線光電子分光分析装置を用いた表面分析により確認された。このように、レーザー処理象牙質面は回転切削器具による切削面とは性状が全く異質なものであり、市販の接着システムをそのまま応用するには問題があるように考えられた。そこで、ダンベル型接着試片を用いた微小引張り試験法により、レーザー処理象牙質に対する市販のレジンの接着性の検討を行ったところ、初期接着性ならびに接着耐久性は低下し、象牙質に対してはいわゆるレーザーエッチングの効果は認められないことが判明した。その要因は、レーザー処理象牙質に形成された亀裂や層状構造物等の構造欠陥に引張り応力が集中したこと、象牙質コラーゲン線維の変性によるレジンの浸透性阻害やそれに伴うハイブリッド層の機械的強度の低下、ならびに被着体である象牙質自体の物性が低下したこと等であることが推察された。
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