研究概要 |
閉塞型睡眠時無呼吸疾侯群(OSAS)患者に対する保存的療法の一つとしてスリープスプリントが広く応用されているが,スプリント装着前後における症状の変化について詳細に検討した報告は少ない.某内科病院においてポリソムノグラフィーを用いて睡眠時の状態を観察し,睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された患者四十数名に対して,スリープスプリント(Thera Snore)を装着した.我々が使用したスリープスプリント(SS)について,その製作法について検討するとともに,OSAS患者に対してSS装着前後の終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)による夜間睡眼検査を施行し,術前術後の症状の変化について比較検討したところ,本研究に使用したSSは,本来直接法で製作するよう指示されているが,軟化圧接による火傷の防止および適合性の面から,間接法による製作の方が優れでいると思われた.また,SS装着により,無呼岐指数,無呼吸-低呼吸指数,中途覚醒指数,日中傾眠の減少、および最低酸素飽和度の上昇が認められたことより,OSAS患者に対するSSによる治療の有効性が示唆された.
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