研究課題/領域番号 |
12671919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯田 彰 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90292036)
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研究分担者 |
鈴木 邦明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40133748)
福島 和昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00002361)
木村 幸文 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00292037)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Na,K-ATPase / フルニトラゼパム / ミダゾラム / ジアゼパム / フルマゼニル / リドカイン / イソフルラン / プロカイン / Na, K-ATPase / NMR |
研究概要 |
Ca-ATPaseと同じ形質膜ATPaseであるNa, K-ATPaseをモデルとして、全身麻酔に使用されるベンゾジアゼピン系薬物とイソフルランおよび局所麻酔薬の作用を調べ、以下の結果を得た。 1)3種類のベンゾジアゼピン系薬物(ジアゼパム、フルニトラゼパム、ミダゾラム)は、いずれも濃度依存件に全活性、Na活性およびEP形成を阻害し、全活性の50%阻害濃度(Ki_<0.5>)はジアゼパム、フルニトラゼパム、ミダゾラムの順にそれぞれ0.6mM、0.45mM、0.25mMであった. 2)Ki_<0.5>の値は3種類のベンゾジアゼピン系薬物のいずれにおいても、EP形成>全活性>Na活性の順であった。またフルニトラゼパム存在下では、Na, K-ATPaseのATPに対する親和性が増加した。これらの結果は、ベンゾジアゼピン系薬物によるNa, K-ATPaseの阻害はEP形成以降の反応過程に対する作用が主であることを示唆する。 3)全活性が阻害される濃度のベンゾジアゼピン系薬物で処理した後にその濃度を希釈したところ、3種類のベンゾジアゼピン系薬物いずれにおいても活性は回復したが、最大でもフルニトラゼパムの約50%であり、ベンゾジアゼピン系薬物による活性阻害は部分的に可逆的であった。 4)ベンゾジアゼピン系薬物の桔抗薬であるフルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬物による全活性やEP形成の阻害および希釈による活性阻害の可逆性に対して顕著な影響を及ぼさず、BZによるNa, K-ATPaseに対する作用はGABA_A受容体に対する作用とは異なった機構であることを示唆した。 5)全身麻酔薬イソフルランのNa, K-ATPaseに対する作用を調べたところ、イソフルランはEPのKに対する反応性を低下させることによって、Na, K-ATPase活性を抑制することが明らかになった。 6)局所麻酔薬(リドカイン、プロカイン、ジブカイン)のNa, K-ATPaseに対する作用を調べたところ、3薬剤ともEP形成の過程を抑制することによって、可逆的に活性を阻害し、その強さは臨床的に推定されるジブカイン>リドカイン>プロカインの順序であることを、明らかにした。
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