研究分担者 |
兼松 隆 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (10264053)
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
大石 正道 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (70037505)
松田 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40291520)
竹内 弘 九州大学, 歯学研究院, 助手 (70304813)
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研究概要 |
初めにイノシトール1,4,5-三リン酸[Ins(1,4,5)P_3]/Ca^<2+>系におけるプレックストリン相同(PH)ドメインの役割を我々が見い出した新規の結合蛋白(PRIP-1)のプレックストリン相同(PH)ドメインを中心に調べた。PRIP-1PHドメインの過剰発現系のHeLa細胞を作成し、Ins(1,4,5)P_3/Ca^<2+>系への影響を調べた。その結果PRIP-1PHドメインはIns(1,4,5)P^3の産生を抑制することなく産生されたIns(1,4,5)P_3と結合してIns(1,4,5)P_3レセプターへの結合を阻害することにより小胞体からのCa^<2+>放出を抑制することが分った。さらにこの細胞内Ca^<2+>抑制といった現象が細胞増殖を抑制した。次いで自然界に多く存在するイノシトール6リン酸(InsP_6)は抗腫瘍作用をもつことが報告されているが、未だそのメカニズムは明らかにされていない。そこで、InsP_6が抗腫瘍剤として作用するメカニズムを検討するとともに、我々が発見した新規蛋白質、PRIPの関わりについて検討した。InsP_6で処理したHeLa細胞について、その生存細胞数の計測、ヘキスト及びタネル染色を行ったところ、アポトーシスの誘導が認められた。[^3H]InsP_6存在下で培養すると脱リン酸化型のイノシトールリン酸類が検出されることから、InsP_6或いはその代謝産物によってアポトーシスが誘導されているものと考えられた。この結果は、細胞外に加えたInsP_6による抗腫瘍作用のメカニズムの一端を明らかにした。PRIPを形質変換した細胞を用いて同様の実験を行ったが、本質的には同じ結果が得られた。
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