研究概要 |
糖尿病性神経障害ラット(DM群)、Chronic Constriction Injuryモデルラット(CCI群)、Complete Freund's Adjuvantモデルラット(CFA群)を用いた。DM群はSTZ注入3日後にmechano-allodynia(MA)が発症し終了時まで持続したが,cilostazol投与3週後に改善した.CCI群は手術7日後にcold allodynia(CA),mechano-hyperalgesia(MH),2週後にMAが発症し,終了時まで持続したが,cilostazol投与により変化はなかった.CFA群は手術7日後にMAが発症し,終了時まで持続したが,cilostazol投与により変化はなかった.DM群はAδ線維とC侵害受容線維が関与する機械的触刺激をallodyniaとして感じたため,それらの神経が関与していると思われた.MHは発症しなかったため,異所性シナプス感作や炎症は発症要因ではないと思われた.CCI群はMAが手術2週後,CA, MHは1週後から発症した.CAは,Aδ線維と機械的刺激に反応しないC線維が反応する.それに比べMAは発症が遅く,C線維がC侵害受容線維より先に障害されていると考えられた.CFA群はCAとMHは発症せず,MAのみ手術1週後から発症をみとめ,5週間持続したため,Aδ線維・C侵害受容線維に障害が起こり,C線維には障害が起こらないことがわかった.また炎症が原因であるが,発生したinjury dischargeは1週間以内に消失したため,MHがみとめられなかったと考えられた。Cilostazolは神経血流を改善させCCI, CFAモデルのNPに対して影響を与えなかった。糖尿病性神経障害モデルに対してはNPを改善した。DRGのIL6に対しては、3群間に大きな差はなかった。
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