研究課題/領域番号 |
12672014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
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研究分担者 |
羽賀 俊明 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80287185)
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30180912)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 物体検査 / ミトコンドリアDNA / Y染色体多型 / VWA locus / STRとSNPs / DYS390 locus / 人種識別 / 常染色体上のSTRとSNPs / ミトコンドリアDNA多型 / Y染色体SNPs / ABO / HLADQA1 / CD4 locus / DNA多型の人種差 / STR多型 |
研究概要 |
本研究は歯科法医学実際面において、特に変性したDNAを用いた多型検査への応用性の高い判定法を確立することを目的に行われたものである。初年度はSTRを中心に、PCR増幅産物の大きさを小さくすることで、検出効率を上げ、正確な判定が可能か否かを確認することに重きをおいた。対象としてD12S66、VWA、CD4などの小さめの座位を中心とした比較と共に、Y染色体STRの増幅sizeを変えてその影響を検討したところ、小さな増幅sizeは検出効率を上昇させたが、必ずしも正確な判定には結びつかなかった。そこでmtDNAを中心とした塩基置換による多型を並行して検討した。また母系遺伝形式をとるmtDNAに対し、父系遺伝形式をとるY染色体多型についても10種のSTRを検討し、両者が極めて識別能力が高いことを示した。特にmtDNAについてはHVI、HVII領域の情報から、日本人を32のグループに分類し、特に近縁集団との識別に応用可能であることを示した。またY染色体多型については、DYS390の構造多型を示し、さらにSNPsによる分類を加えることにより、日本人男性にいくつかの系統があることを示すと共に、増幅sizeを小さくしたSNPsが変性DNAからの多型検出に適していることを示した。また物体検査への応用として、口腔内に装着されていたレジン製補綴物からDNA多型検査のための資料回収から型判定までの手順を確立した。さらにVWA、DYS390については非ヒト霊長類のSTR多型についてその特徴を明らかにし、人獣鑑別への応用のみでなく、進化学的に興味のある知見を得た。 以上の如く本研究においては、常染色体、mtDNA、Y染色体上の多型につき、変性DNAから識別能力の高い、正確な結果を得るための方法を検討してきたが、いずれも実用度の極めて高い結果が得られたと考えている。
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