研究課題/領域番号 |
12672034
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50231361)
|
研究分担者 |
高山 真一 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00314386)
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10263295)
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
岡田 宏 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40038865)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | ヒアルロン酸 / ヒアルロン酸合成酵素 / ヒアルロニダーゼ / 低分子ヒアルロン酸 / 一酸化窒素 / アデノシン / HAS / サイトカイン / iNOS |
研究概要 |
歯肉線維芽細胞あるいは歯肉上皮細胞を用いたin vitroの系において炎症メディエーターがヒアルロン酸産生とその分子量およびヒアルロン酸産生酵素におよぼす影響について検討した。その結果、IL-1βおよびTGFβは歯肉線維芽細胞のヒアルロン酸産生を亢進させたが、TGFβはIL-1βより高分子量のヒアルロン酸産生を誘導した。またIL-1βはHAS1、2、3全てのサブタイプmRNA発現を上昇させるのに対しTGFβはHAS1mRNAのみを強く上昇させ、HAS1が高分子ヒアルロン酸産生に関与することと一致した結果であった。次にヒアルロン酸の分解に関与すると考えられるヒアルロニダーゼの遺伝子発現に及ぼす影響についても検討を加えた。その結果、IL-1βおよびTGFβは3種類のヒアルロニダーゼ遺伝子(Hyal1,2,3)発現を変化させることはなかった。 一方、歯肉上皮細胞はIL-1β+TNFα刺激あるいはアデノシンレセプターアゴニストである2CADO刺激を受けると誘導型NO産生酵素mRNAを発現し、また培養上清中にNOの安定した代謝産物NO_2^-+NO_3^-を上昇させることが明らかとなった。NOは細菌に対しては抗菌的に働き、生体に対しては炎症性メディエーターとして機能する。さらにNOあるいはNO由来のperoxynitriteがヒアルロン酸を低分子化することが知られている。また高分子のヒアルロン酸が低分子化すると高分子の際には見られなかった種々のproinflammatoryな生物活性を有することが明らかになってきた。 従って歯周炎の炎症局所では組織修復のためのヒアルロン酸の産生亢進が認められる一方、同時にNOなどのフリーラジカルの作用を受けて炎症反応の中でヒアルロン酸の低分子化が進み、炎症の増悪という悪循環が生じている可能性が示唆される。
|