研究概要 |
Porphyromonas ginigivalisのトリプシン様プロテアーゼであるRgpA, RgpB, Kgpを精製し、ウサギに免疫し血清抗体を作成した。その結果、抗体は血清型の異なるP.gingivalis33277,381,W50,A7A1-28株すべてに認識された。 次に、ヒト好中球、補体、抗gingipain抗体、各血清型のP.gingivalis、ルミノールを加えた混合液を作成し、Chemiluminescence法により抗体のオプソニン作用を検索したところ、程度の差は認めたものの、すべての血清型においてオプソニン作用を認めた。この増強作用は補体依存型であることも明らかになった。 続いて、上記の混合液を血液寒天培地に播種し、抗体の殺菌増強作用も検索した。これについてはW50をのぞく3株においてはその作用を認めたが、W50株に対しては殺菌増強作用は認めなかった。 オプソニン作用は、RgpB, Kgp-CATにおいても認められたこと、歯周炎患者の患者血清においてはcatalytic domainに対する抗体価が上昇していないことから考え合わせると、防御作用はcatalytic domainに強いのではないかと本研究の結果から示唆された。今後さらに詳細に検討し、どの部分が歯周病予防ワクチンに最適なコンポーネントであるかを検索していく予定である。
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