研究課題/領域番号 |
12672083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柏柳 誠 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (20169436)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | cADPリボース / cAMP / IR_3 / におい / 嗅細胞 / セカンドメッセンジャー / Ca^<2+> / 電気生理 / IP_3 / 電気生理1 / cADP-リボース |
研究概要 |
cADPリボースが匂い応答の発現に関与しているか否かを検討した。cADPリボースは細胞内のCa^<2+>ストアーからのCa^<2+>放出を引き起こすように、cADPリボースの作用を調べる上で細胞内のCa^<2+>動態をモニターすることは重要である。そこで、Ca^<2+>感受性の蛍光色素(Fura2/AM)を負荷したカメ嗅細胞から膜電位固定下でホールセルパッチクランプ法により細胞内Ca^<2+>濃度と膜電流を同時に測定した。cADPリボースをパッチピペットから嗅細胞に投与したところ、細胞内のCa^<2+>濃度の増加とともにコンダクタンスの上昇を伴う内向き電流が生じた。この結果は、cADPリボースが嗅細胞において興奮性のセカンドメッセンジャーとして働いている可能性を示した。細胞外のCa^<2+>イオンを除去した条件下では、cADPリボースは内向き電流を引き起こしたが、細胞内のCa^<2+>濃度は変化しなかった。この結果は、cADPリボースが引き起こす内向き電流の発現に、細胞内のCa^<2+>ストアーからのCa^<2+>放出が必ずしも必要ないことが示唆された。 匂い応答の特徴の一つは、匂い物質が与え続けられているにもかかわらず慣れ(順応)が生ずることにある。cADPリボースが引き起こす応答も、cADPリボースがパッチピペットから投与され続ける状況で順応する特徴が見られた。この傾向は、匂い応答とよく一致した。また、cADPリボースが引き起こした応答が順応した後に匂い刺激を与えたところ、cADPリボースに対する応答が順応していないときと比べて応答強度が減少した。また、cADPリボースのアンタゴニストを作用させたところ、匂い応答が抑制された。これらの結果から、cADPリボースが匂い応答の発生時にセカンドメッセンジャーとして機能する可能性が示唆された。
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