研究課題/領域番号 |
12672093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
櫨本 紀夫 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (40192273)
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研究分担者 |
四ツ柳 智久 (四ッ柳 智久) 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40080189)
四ツ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (06672150)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 遺伝子キャリアー / DNA複合体 / オリゴペプチド / 粒子径 / ターナリー複合体 / リポソーム / in vivo / 安定性 / ペプチド合成 / 樹枝状ペプチド / プラスシドDNA / 遺伝子導入効率 / 核移行シグナル / 結合親和性 / 蛍光排除法 / 粒子径分布 / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
遺伝子導入能力の差異を合成オリゴペプチドとDNAとの親和性、複合体の大きさ、形態の面から検討した。DNAとペプチドとの親和性はエチジウムブロマイドを用いた蛍光排除法により調べた。一量体に比べシツチン結合を含む2量体で親和性が高かった。更にリジンだけから成るペプチド及びその比率の高いペプチドでは、DNAへの結合親和性が高く、リジンの一部をトリプトファンに変えたペプチドでは親和性は著しく低下した。しかし、DNA複合体の電気泳動実験では、これらのペプチドに於いても複合体形成が確認され、遺伝子導入にはDNAとの強い結合を必要とするものではないと思われる。形成されるDNA複合体を原子間力顕微鏡で観察すると、ペプチド濃度に依存して形態が変化しトランフェクションの至適濃度では大きな凝集体(数十μm)として観察された。細胞への遺伝子導入過程でこの凝集体がどのような役割を持つのかこれからの課題である。なお、動的光散乱法を用いた複合体の側定では、重量的寄与は僅かであるが01μm程度の粒子が観測されており、この小さな粒子が遺伝子導入に寄与している可能性も考えられた。 低分子ペプチドキャリアーとして合成した9個のアミノ酸を持つペプチドは、トランスフェクション時の細胞毒性が低く、安全性に富む遺伝子キャリアーであることを示した。オリゴペプチドの中でトリプトファンを持つ二量体でin vitroでの高い遺伝子発現を示したが、in vivo実験系での発現には反映しなかった。これは、DNA分解酵素、血清タンパクによる影響を受けるためと考えられる.一方、DNA/オリゴペプチド複合体にカチオン性リポソームを加えたDNA/オリゴペプチド/リポソーム複合体では遺伝子発現量が約100倍増加し、高分子のポリオルニチンより発現効率は高かった。これはオリゴペプチドが遺伝子導入を促進させるエンハンサーの役割を果たすことを示している。また、ターナリー複合体の形態をとることにより、安定性が増し、DNA分解酵素や血清タンパクによる影響が低減し、in vivo実験において肺での遺伝子発現は約3倍の増加を示した。このことから動物個体での遺伝子発現向上のアプローチとして、オリゴペプチドおよびリポソームの併用によるターナリー複合体の形成が有効であることが示された。
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