研究概要 |
エキシマー蛍光誘導体化法は、通常の蛍光誘導体化法にエキシマー蛍光現象を導入することに基づく分析方法論である。このエキシマー蛍光誘導体化法により、従来法では測定困難なジカルボン酸類の以下に示す超微量計測法を開発した。 用手法の開発:既存の試薬(PBH)を用いて、本試薬とジカルボン酸類の用手法による基本的蛍光誘導体化やエキシマー蛍光発現のための最適条件を設定した。 マススクリーニング診断 血液あるいは尿を水などで400-500倍に希釈し、試薬を添加後、室温に数分間放置する。反応液を蛍光分光光度計で計測し、エキシマー蛍光の発現を観測する。血液あるいは尿サンプルからのエキシマー蛍光の発現は、この患者がグルタル酸血症(発症原因の特定はできない)であることを意味する。 自動化と実用 グルタル酸血症のスクリーニングは、できるだけ多数の検体を迅速に処理できることが望まれる。このための自動化を行った。この自動化は従来の臨床検査用装置を先の蛍光光度計と接続することにより可能になった。さらに,小児科からグルタル酸血症患者を含む乳幼児の血液や尿サンプルを多数提供いただき,これらを用いて、本自動装置を診断に実用した。 時間分開放の開発 エキシマー蛍光発現に要する時間は、モノマー体での蛍光減衰時間と大きく異なる。また、この時間はジカルボン酸の側鎖の炭素数にも大きく依存する。この時間特性の違いを利用し、時間分解法を導入することにより、さらなる高感度性及び特異性を得る試みを行った。
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