研究概要 |
1.PLI_αの構造と機能 無毒ヘビであるシマヘビに,中国マムシPLI_αと約70%の相同性をもちながらPLA_2阻害活性を示さないPLI_α様タンパク質が存在することを明らかにし,そのcDNAをクローニングした.次に,中国マムシPLI_αとシマヘビPLI_α様タンパク質のキメラ変異体を作製し,中国マムシPLI_αの13〜36位の配列がPLA_2との結合や阻害に重要であることを明らかにした.さらにこの領域の中で特に26,28,29位のアミノ酸残基が重要であることがわかった.一方,PLI_αの立体構造を明らかにすべく,中国マムシ血清から精製したPLI_αについて結晶化条件を検討し,針状結晶を得ることができた.しかし現在のところ,X線回折像は得られていない. 2.PLI_βの構造と機能 シマヘビ血清にもII型塩基性PLA_2を特異的に阻害するPLI_βが存在することを明らかにし,精製するとともにそのcDNAをクローニングした.また,中国マムシPLI_βの大腸菌による発現系を確立すべく,現在検討中である.一方,中国マムシ血清から精製したPLI_βについて結晶化条件を検討しているが,現在のところ結晶は得られていない. 3.PLI_γの構造と機能 分離した中国マムシPLI_γの2種のサブユニットから,阻害活性をもつPLI_γが再構成できるかどうか検討している.また,中国マムシ血清から精製したPLI_γの結晶化条件を検討しているが,現在のところ結晶は得られていない.
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