研究課題/領域番号 |
12672144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 (2001) 理化学研究所 (2000) |
研究代表者 |
渡部 正彦 昭和大学, 薬学部, 助手 (90301788)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞分裂 / 細胞増殖 / 細胞死 / プロテインキナーゼ / MST / Krsタンパク質 |
研究概要 |
細胞増殖と細胞死はとても密接な関係にあり、それぞれのバランスをとることにより、生体は維持している。従って、細胞増殖と細胞死は常に一緒に考えていかなければならない現象である。最近になって細胞死を誘導する際に、タンパク質分解酵素によって切断されると酵素活性を著しく増加させるプロテインキナーゼ(MST/Krs)が示された。この酵素は、細胞増殖期でもある一定レベルの酵素活性を有しており、タンパク質分解酵素によって切断されると酵素活性を著しく増加させ細胞死を誘導する。このように細胞死誘導時における役割が示されつつある酵素であるが、細胞増殖時における役割は未だ不明な点も少なくない。本研究はMST/Krsタンパク質の細胞増殖時における役割を解明することを目的とした。 そこで、MST/Krsタンパク質の酵素活性を欠失した変異体を作製し、ヒト白血病K562細胞内で強制発現させた結果、コントロール細胞に較べ変異体発現細胞では、その細胞の大きさが著しく増加し、形態学的観察結果から、細胞の核分裂は起こっているが細胞分裂が阻害されていることを明らかにした。そこで、細胞種期において分裂期を経ることなくその周期を進行させてしまうことで知られる種々の化合物(スタウロスポリン、K-252a、RK-286C、サイトカラシンB)を用いて、これら化合物により認められる細胞の形態変化とMST/Krsタンパク質変異体発現細胞の形態とを比較検討した結果、同様な形態を示すことが明らかになった。以上の結果から、MST/Krsタンパク質が細胞分裂において重要な役割を担っており、先述の化合物の標的分子になり得る可能性が示唆された。
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