研究課題/領域番号 |
12672172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉原 新一 広島大学, 医学部, 助教授 (00037607)
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研究分担者 |
山崎 和男 広島大学, 医学部, 教授 (00034017)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 内分泌攪乱化学物質 / エストロゲン活性 / 異物代謝酵素 / 代謝的活性化 / ビスフェノールA / アルキルフェノール / ゲニステイン / バイオカニンA / 異物(薬物)代謝酵素 / ヒトP450 / ラット肝S9 / 内分泌撹乱化学物質 / オクチルフェノール |
研究概要 |
外因性内分泌攪乱化学物質(Endocrine Disrupting Chemicals ; EDCs)のリスク評価に当たっては、摂取後の肝ミクロソームに局在するチトクロームP450(P450)に代表される異物代謝酵素による代謝変換に基づくエストロゲン活性の変動を考慮に入れなければならない。そこで本研究では日常摂取する可能性が高いと考えられるドスフェノールA(BPA)やアルキルフェノール類などの代表的な人工EDCsや大豆イソフラボンであるゲニステインなどの植物エストロゲン類のエストロゲン活性に及ぼすラットおよびヒト肝P450などによる代謝変換の影響を明らかにすることを目的とした。先ず平成12年度の研究の結果、オクチルフェノールやノニルフェノールなどのアルキルフェノールや代表的な植物エストロゲンのゲニステインはラット肝S9(P450源)により代謝的に不活性化されることが明らかとなった。一方、BPAや豆科イソフラボンのバイオカニンAではヒトおよびラット肝S9による代謝変換によりエストロゲン活性の増大(活性化)がもたらされることが明らかとなった。そこで平成13年度は、これらの代謝的活性化に焦点を絞って検討を行った。その結果、BPAの代謝的活性化にはミクロソーム(P450)とともにサイトソール中の蛋白質性因子の関与も示唆された。また、高速液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)の結果、この活性代謝物の構造はイソプロペニルフェノールの2量体の可能性が示唆された。一方、バイオカニンAはP450による代謝変換の結果、より強いエストロゲン活性を有するゲニステインを与えることが明らかとなった。これらの諸結果は摂取されたEDCsのエストロゲン作用は異物代謝酵素による代謝変換により大きく変動すること、なかでも代謝的活性化を考慮に入れたリスク評価の重要性を改めて提起するものである。
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