研究課題/領域番号 |
12672183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福田 敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 客員助教授 (40272421)
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研究分担者 |
武村 真治 国立公衆衛生院, 公衆衛生行政学部, 研究員 (50280756)
大森 正博 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (40286000)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 競争 / 消費者行動 / 医療システム / 医療機器 |
研究概要 |
我が国の医療機関は公定で価格が決められる出来高払い制度のもと、価格以外の要素で患者を引きつける競争を行っていると考えられる。本研究では昨年度の検討に基づき、病院における非価格競争の要因として機器および人員などを取り上げ、これらの保有状況と外来患者数の関連について分析した。外来患者は内科系外来患者、外科系外来患者、総外来患者の3種類に分け、診療報酬上の区分などの影響から患者の獲得競争が激しいと思われる20床以上200床未満の規模の一般病院のデータを用いた。マーケットエリアとしては各都道府県から対象病院数の最も多い二次医療圏を1つずつ選んだ。病院数が25に満たない二次医療圏は対象外とし26の二次医療圏を分析に用いた。外来患者数を従属変数、MRI台数、全身用X線CT台数、上部消化管ファイバースコープ台数、気管支ファイバースコープ台数、血液ガス測定装置台数、心細動除去装置台数、レーザーメス台数、マイクロサージャリー装置台数、看護婦数、医師数、病床数、診療科目数を独立変数とした重回帰分析を二次医療圏ごとに行った。分析結果から比較的多くの二次医療圏で有意な関連がみられた機器は、内科系外来患者数では消化管ファイバースコープと気管支ファイバースコープであり、外科系外来患者ではMRIとマイクロサージャリー装置であった。総外来患者の場合でもこの4つの機器は外来患者との関連がみられ、これらの機器が競争の要因になっていることが示唆された。医師数または看護婦数とは正の関連がみられたものの病床数とは負の関連がみられ、これは全体のスタッフ数が同じ程度の病院では病床数が多い方が外来でのスタッフが相対的に少なくなるためと思われた。これらの結果から病院では機器の導入や人員配置により外来患者数を集めるような競争が起こっているのではないかと思われた。
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