研究課題/領域番号 |
12672213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
安屋敷 和秀 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10167968)
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研究分担者 |
岡村 富夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70152337)
藤岡 秀行 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50228970)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 舌,頚および脳動脈 / 陰茎海綿体 / 内皮細胞 / 一酸化窒素(NO) / Ca2+依存症K+チャネル / チトクロームP450 3A4 / 高脂血症ウサギおよびサル / 動脈硬化 / Ca2+依存性K+チャネル / 動脈硬化モデル動物 / 血管内皮 / 血管支配神経 / Ca^<2+>感受性K^+チャネル |
研究概要 |
本研究では、正常動物での血管内皮機能に関する検討を行い、さらに、血管内皮および支配神経機能に及ぼす動脈硬化や高脂血症の影響を、遺伝性高脂血症(WHHL)ウサギおよび高脂食飼育による高脂血症日本ザルを用いて検討した。成果は以下の通りである。 1.サル舌動脈におけるアセチルコリン(ACh)による内皮依存性弛緩は、一酸化窒素(NO)とCa2+依存性K+チャネルを開口するチトクロームP450 3A4由来のアラキドン酸代謝物によると考えられた。 2.イヌ陰茎海綿体におけるAChによる内皮依存性弛緩は、NOと低コンダクタンスのCa2+依存性K+チャネルの開口物質によると考えられた。 3.WHHLウサギの頚動脈に動脈硬化が斑状に存在した。頚動脈において、動脈硬化の存在部位でAChによる内皮依存性弛緩は抑制された。同ウサギでのサブスタンスP(SP)による内皮依存性弛緩は、動脈硬化の有無に関わらず、正常ウサギにおける同弛緩より大であった。したがって、動脈硬化は内皮のムスカリン受容体機能を低下させ、高脂血症は内皮のSP受容体機能を上昇させると考えられた。 4.高脂血症ザルの中大脳動脈(MCA)に動脈硬化所見はなかった。そのMCAにおけるヒスタミンによる内皮依存性弛緩は正常動物よりも増大していたが、Ca2+イオノフォア弛緩には差がなかった。ニコチンは、MCAを支配するNO作動性神経を化学的に刺激し、NO遊離により動脈を弛緩する。同神経性弛緩は、高脂血症により影響を受けなかった。したがって、高脂血症は、MCAにおける内皮や支配神経機能を障害せず、内皮のヒスタミン受容体からNO合成・遊離に至る過程を亢進させると考えられた。 高脂血症を呈するモデル動物を用いた研究から、動脈硬化や高脂血症は、血管内皮機能および血管支配神経機能を一様に障害するのではなく、内皮細胞の特定の受容体機能に変化を与えることが示唆された。
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