研究課題/領域番号 |
12672253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
陳 戈林 昭和大学, 医学部, 助手 (60266111)
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研究分担者 |
五味 邦英 昭和大学, 医学部, 教授 (60053980)
高木 康 昭和大学, 医学部, 助教授 (30138490)
福地 邦彦 昭和大学, 医学部, 助教授 (70181287)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Helicobacter pylori / パルスフィールドゲル電気泳動法 / genotype / 除菌療法 / パルスフィールドゲル電気泳動 |
研究概要 |
パルスフィールドゲル電気泳動法を使用したゲノム型解析により、Helicobacter pyloriの分子疫学解析を行った。一年目の検討では、除菌療法効果判定への応用を試みた。次に示す3系統の検体を使用した。(1)異なる患者から分離された77株。(2)除菌療法が施行された4症例の治療前後の株。(3)18症例の胃前庭部と胃体部大弯の2カ所からの株。(1)の77株のうち、75株はそれぞれ異なるゲノム型を示し、2株のみ同じゲノム型であった。この2株は10日間隔で同一科において内視鏡検査を受けたものであり、医療従事者や内視鏡装置および器具による交叉感染が疑われた。(2)の4症例のうち、1症例では治療前後でゲノム型が異なったため、再感染が疑われ、その他の3症例では、除菌療法前後のゲノム型が同じかあるいは高度な相同性が認められたため、不完全な除菌と判断できた。(3)の18症例のうち、15症例では同じゲノム型であったが、50代男性、60代女性と60代男性の3症例の株では、ゲノム型が異なっており2クローン以上のH.pyloriの重複感染が証明された。複数クローンの感染は、感染機会毎に繰り返し感染を受けていることを示唆し、加齢とともに感染率が上昇する原因の一つと考えられた。 二年目以降、E-test法により、H.pyloriのAMPC、CAM、MNZ3剤の除菌薬に対する感受性パターンと、除菌治療効果との関連を検討した。各薬剤に対する耐性化率は他施設の報告とほぼ一致した。除菌失敗例では、約半数が一次耐性株の感染によるものであった。3症例の胃前庭部と胃体部大弯の2カ所からの株のうち、1症例の株では、2カ所の感受性パターンが異なっており、除菌薬感受性の異なる、2クローン以上の重複感染が証明された。 以上の結果、パルスフィールドゲル電気泳動法によるゲノム型解析と、感受性検査の併用が、除菌療法の判定に有用であることが証明された。
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