研究課題/領域番号 |
12672254
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
宮地 勇人 東海大学, 医学部, 助教授 (20174196)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 白血病 / 抗癌剤耐性 / 葉酸拮抗剤 / 遺伝子検査 / 遺伝子発現 / 遺伝子変異 / 癌化学療法 / 耐性 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
癌の化学療法において、個々の患者で抗癌剤に対する治療反応性および副作用発現の程度は異なる。患者ごとに最適な治療効果を引き出し、副作用を最小限に抑えるには、腫瘍における抗癌剤耐性の状態を知る必要がある。本研究は、癌の治療反応性の違いが代謝や輸送および癌細胞の耐性機構に起因することに着目し、白血病細胞における葉酸拮抗剤methotrexate(MTX)耐性の分子機構を解明し、耐性の状態を検出する指標となりうる遺伝子情報を明かとすることを目的とした。 酸化型葉酸PGAの供給下に作製した5000倍MTX耐性株化培養白血病細胞CCRF-CEMでは、薬剤膜輸送を担う還元型葉酸キャリア(RFC1)の46番コドンの2番目のヌクレオチド置換によりSer→Asnのアミノ酸置換をもたらすことが判明した。MTX大量療法と還元型葉酸leucovorin(LV)救済療法における耐性の分子機構を知るため、高濃度のLVの供給下にCCRF-CEM細胞をMTX耐性化した。メチルセルロースクローニングにて、in vitroの薬剤感受性試験で耐性度の異なる3クローンを得た。これら細胞において、DHFRの遺伝子発現は、耐性度に比例して増加が見られた。一方、RFC遺伝子発現には明らかな差を認めず、47番目コドンのアミノ酸置換(Ser→Phe)をもたらす遺伝子変異が明らかになった。高度耐性でさらに112番目コドンの遺伝子変異(欠失)が明らかになった。MTX細胞株でMTXの細胞内貯留に変化なく、耐性度の高い細胞株ほど膜輸送が低下していた。耐性度の高い細胞株ほど細胞増殖に高い還元型葉酸供給を必要とした。MTX耐性CCRF-CEMの主要な分子機構として、供給される葉酸様式や耐性度によって、DHFR遺伝子発現やRFC1の多様な遺伝子変異が関与していることが明らかとなった。一薬剤に対する耐性機構においても、複数遺伝子の発現異常と遺伝子変異が関与することが明らかとなった。これら遺伝子の発現パターンや変異が薬剤耐性の指標となりうると考えられる。
|