研究課題/領域番号 |
12672280
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
垣花 シゲ 琉球大学, 医学部, 助教授 (50274890)
|
研究分担者 |
岩永 正明 琉球大学, 医学部, 教授 (00112384)
大湾 知子 琉球大学, 医学部, 助教授 (90295311)
植村 恵美子 琉球大学, 医学部, 講師 (00223503)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 黄色ブドウ球菌 / 院内感染 / 保菌者 / 薬剤耐性 |
研究概要 |
本研究は自然生態系のなかで黄色ブドウ球菌の定着を抑制する因子の解明とその応用という観点に立っている。現在院内感染の原因菌として重要なMRSAを含む黄色ブドウ球菌を対象として、抗菌薬に頼らない保菌者の生物学的制御方法を考案すると同時に、その研究過程をもって感染看護専門看護師の育成を促すことを目的とした。大学病院看護師の鼻腔内細菌叢調査の結果、黄色ブドウ球菌は約40%の頻度で分離され、そのうち約25%(全体の10%)がMRSAであった。黄色ブドウ球菌を常に保菌する宿主と常に保菌していない宿主のあることが確認され、継続的な非保菌者の鼻汁と分離された黄色ブドウ球菌を混合培養したが、黄色ブドウ球菌抑制作用は見られなかった。 寒天平板上で黄色ブドウ球菌の発育をかなり強く阻止した環境分離グラム陽性桿菌と黄色ブドウ球菌を混合培養して、その抑制作用を見た。混合培養開始後、6時間後では一旦両者とも増殖していたが、その後、黄色ブドウ球菌の減少が始まり24時間後ではブドウ球菌は10^5/ml以下まで菌数が低下した。動物体表における効果を見るために、脱毛したマウスの皮膚2×2cmにそれぞれの菌を塗布し、菌の消長を経時的に観察した。黄色ブドウ球菌は7日目までは多数の付着がみられたが、環境細菌は3日目から急速に減少した。黄色ブドウ球菌と環境細菌を混合培養した菌液を塗布した場合も同様だった。 環境株がマウスの皮膚に定着しにくいため、黄色ブドウ球菌抑制物質が存在する環境株の培養上清を濃縮して皮膚に塗布した。その上に黄色ブドウ球菌を塗布して定着阻止効果を検討したが5日目では、実験群、対照群ともほとんど検出されなくなった。このように今回、病原菌の発育抑制物質を産生する環境無害菌の存在を多数、確認したが、その抑制物質の生体への応用実験は失敗に終わった。今後は生体粘膜表面モデルの考案が必要である。
|