研究課題/領域番号 |
12672298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
金井PAK 雅子 (金井パック 雅子) 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (50204532)
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研究分担者 |
遠藤 和子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (80307652)
勝原 裕美子 兵庫県立看護大学, 講師 (60264842)
中西 悟志 日本福祉大学, 経済学部・経済学科, 助教授 (70278852)
諏訪 茂樹 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (10299935)
増野 園恵 兵庫県立看護大学, 助手 (10316052)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 看護経済学 / 看護の経済評価 / 概念構築 / Nursing Economics |
研究概要 |
昨年度に引き続き、今年度は(1)海外の大学院におけるコースシラバス分析、(2)海外の看護経済学教育テキストの分析、(3)国内の栄養・健康関連の文献の分析、(4)英国・米国研究者へのインタビュー、(2)日本の看護管理者へのインタビューを行った。(1)コースシラバスから、看護経済に関する科目は国外においても確立していないことが明らかになった。看護学専攻の大学院生は経済学や保健医療管理学当の専門領域から看護に必要な経済学の要素を学習していることが示唆されて。(2)海外の看護経済学のテキストの分析から、7つの要素が抽出された:(1)経済学の基礎とその枠組み、(2)ヘルスケアの経済学的分析の手法、(3)労働市場と医療従事者の養成、(4)ヘルスケアの提供組織、(5)保険制度、(6)ヘルスケアに対する政府の介入、(7)ヘルスケア提供に関係する政策とその影響。(3)栄養・健康関連の文献からは、経済の概念およびその構成要素を示す用語の多くが「費用」「活動の経済効果」に関するものであった。しかし、同じ用語を用いてもその意味するところが文献により異なっていたり、概念を明確にしないまま使用していることが多い。抽出された要素は栄養と健康の要素に共通するものであった。(4)英・米の研究へのインタビューから、英国ではnursing economicsということば自体存在しない。またユニバーサルな概念構築は困難という示唆を得た。米国では医療は自曲市場経済原理の上で成り立っているため、経済というと「会計」「財務」の管理という概念の方が管理者にとって優先課題となっている。Human caringの視点と経済とを統合させていく試みをしている研究が米国では行われているが、一般論として確立するには至っていない。(5)看護管理者へのインタビューからは、看護ケアの質保証とコストのバランスに関する采配の責任が明らかになった。 2年間の集大成として、看護経済学の概念モデルを構築した。看護を支えている基本的要素を確認し、保健・医療・福祉の関係および看護とのそれらの関連を踏まえながらマクロ的視点の看護経済学について解説する。看護というと伝統的に「医療」の分野のみで行われている活動と一般的には理解されていた。しかし医療分野の中では看護経済学としての独立性を見出すことは困難であるがヘルスケアの概念のなかでは看護経済学としての独自性を見出すことができた。
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