研究課題/領域番号 |
12672337
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
|
研究機関 | 北里大学 (2001) 愛知県立看護大学 (2000) |
研究代表者 |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
|
研究分担者 |
重光 貞彦 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20235526)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | メンタルストレス / リラクセーション / 妊婦 / 胎児 / 母子関係 / 自律神経機能 / 心拍変動 / AMIS / ストレス / STAI-Form Y / 産科合併症 / 産褥早期 / 授乳 / 心拍変動解析 / 胎動 / 情動変化 |
研究概要 |
本研究の目的は、妊娠期の母親の精神的なストレスが母児の自律神経機能に及ぼす影響について明らかにするとともに、精神的なストレスの対処方法であるリラクセーション技法による看護介入の効果を、母児の両者を対象に検証することである。 1.妊娠末期妊婦を対象に、Stroop Color Conflict Testによる短期的なmental stressと、イメージ法によるrelaxation技法を用いて、情動変化に伴う自律神経機能活動の変化を、母児の心拍変動解析ならびに胎動により検討した。その結果、短期的はmental stressでは、妊婦の交感神経活動は亢進し、副交感神経活動は低下を示した。また、mental stress後のrelaxationでは、亢進していた交感神経活動は低下し、低下していた副交感神経活動は亢進を示した。 一方妊婦の情動変化が胎児の状態に与える影響は、両情動状態では違いがみられた。mental stressでは変化しなかったが、relaxationでは僅かな変化であるが明らかに胎児基準心拍数は低下し、変動幅も大きくなることが示された。従って、妊婦の副交感神経活動が亢進すると、胎児の副交感神経活動も活発になることが推測された。また、胎動は両情動状態ともに活発化することが示された。 2.妊娠期の不安と産科合併症・新生児異常との関連ならびに妊娠期の不安と産褥早期の授乳場面における母子関係との関連をprospectiveに検討した。 その結果、妊娠期の不安と産科合併症ならびに早期新生児異常とには明らかな関係は認められなかった。 一方、妊娠期の不安と産褥早期の授乳場面にける母子関係と関係をみると、妊娠期に不安が高かった母親の児に対する認知は、児の気質を興奮性が高いなどマイナスの評価で捉えていた。また、妊娠期に不安が高かった母親から生まれた新生児行動は、VTRによる行動観察でみると、外界刺激や母親の働きかけに対して応答性が低く、産褥早期母子相互作用の確立に影響を及ぼす可能性が示された。 以上から、妊婦の短期的な精神的ストレスは妊婦の自律神経活動に影響を及ぼし、それが瞬時的に胎児心拍数と胎動に影響を及ぼすことが示唆された。また、妊婦が精神的なストレスに遭遇した際にリラクセーションを心がけることは、妊婦のみならず胎児にも効果的な影響を及ぼすであろうことが示唆され、看護者は妊娠中の不安や精神的なストレスに対して、積極的にリラクセーション技法による看護介入を実施することの重要性が示唆された。
|