研究課題/領域番号 |
12672347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
村上 明美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教授 (10279903)
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研究分担者 |
平澤 美恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40211510)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 開業助産師 / 卓越した技 / 機能 / 構造 / 卓越 / 技 / 開業助産婦 / 機能と構造 |
研究概要 |
本研究の目的は、開業助産師の卓越した技の構造と機能、すなわち、開業助産師の高度な技はどのような状況で生ずるのか、また、その技は妊産婦の支援においてどのような働きを有しているのかを、助産実践の場面から帰納的に明らかにすることである。 主要な研究参加者は開業助産師6名で、その他、ケアの受け手である妊産婦やその家族、実践の場に同席したスタッフなども一般情報提供者として研究協力を得た。データ収集は、開業助産師の日常の助産実践への参加観察と、開業助産師に対して実践の振り返りの面接により行った。分析は、逐語録から開業助産師の行為を抽出、比較し、開業助産師が他者に仕掛ける一定の型として帰納的に見出し、それらを抽象化して開業助産師の技の「構造」を明らかにした。次に、開業助産師の技の「機能」は、「助産師の技は・が」という[主語]に引き続き、「他者を/他者に+〜する」という【目的語+動詞】として具体的に表現した。 その結果、開業助産師の卓越した技の「構造」(以下【…】で表現する)は、【豊富な知識を実践に応用する行為】【実践に対する人間的な姿勢を表す行為】【実践の場における自己の位置を確保する行為】であることが確認された。 また、開業助産師の卓越した技の「機能」を「構造」毎に記述すると、【豊富な知識を実践に応用する行為】では、助産師の技は〔対象を通して理論知と実践知の統合を促す〕〔経過判断を助け、今後の見通しを立てる〕〔対象の関心を引きだし、持続させる〕〔対象の健康を多側面から整える〕という機能を有していた。【実践に対する人間的な姿勢を表す行為】では、助産師の技は〔人権を尊重する〕〔対象を慈しむ〕〔対象と助産師に相互の存在を認識させる〕〔人間関係の形成を助ける〕〔快適さを提供する〕〔助産師に自己の限界を知らせる〕という機能を有していた。【実践の場における自己の位置を確保する行為】では、助産師の技は〔妊産婦や家族の助産師への信頼を深める〕〔スタッフに助産師への尊敬の念を抱かせる〕〔地域への貢献を促進する〕〔職能として活動の場を拡大する〕〔他機関との連携体制を整える〕という機能を有していた。 上述した技の構造と機能は、それぞれが複雑に同時に絡み合って開業助産師の技の卓越性を具現化していた。そして、開業助産師の卓越した技は、妊産婦や胎児・新生児の正常性を維持するという目的のために、対象の生活に多側面から働きかけながら、対象の心と身体を自然に開いていくという特徴を有していた。
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