研究課題/領域番号 |
12680014
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
八田 秀雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60208535)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 乳酸 / 運動 / MCT1 / MCT4 / 乳酸輸送担体 / ミトコンドリア / トレーニング |
研究概要 |
乳酸輸送担体(MCT)のタンパク発現量は、トレーニングなどによって変化するのか、またその変化と運動時における乳酸の代謝とはどのように関係しているのかを検討した。まずMCTにはいくつかのアイソフォームがあるが、骨格筋や心筋に多いのはMCT1とMCT4であることを確認した。さらにトレーニングによる変化については、まずマウスの回転ケージ自由運動モデルにおいて、運動量がMCT1の増加に関係する因子であることがわかった。またマウスのさまざまトレーニングによる変化を検討した。MCT1は持久的トレーニング、またその一種と考えられる回転ケージ自由運動、また高強度トレーニングで、タンパク発現量が増加した。一方MCT4は持久的トレーニングや回転ケージ自由運動では、タンパク発現量が増加しなかった。しかし高強度トレーニングでは増加した。したがってMCT4のタンパク発現を高めるには運動強度が重要であることがわかった。MCTの変化、特にMCT1のタンパク量は、運動時の血中乳酸濃度を有意な負の相関が認められることから、MCT1タンパクの増加が運動時の乳酸の酸化による利用に関係していることが示唆された。次にラットのSTZモデル糖尿病ラットにおいては、糖代謝の低下と同様にMCT1及びMCT4タンパク量は低下した。しかし持久的トレーニングを行わせることにより、MCT1及びMCT4タンパク量は増加した。すなわち糖代謝が低下と高進に伴い、MCT1だけでなくMCT4のタンパク量も変化することが示された。さらにMCT1の細胞内局在に注目し、ミトコンドリアを単離してミトコンドリアMCT1のタンパク量を求めたところ、持久的トレーニングで増加し、運動時の血中乳酸濃度を有意な負の相関関係が認められた。このことはMCT1の増加が乳酸の酸化利用に大きく影響することをさらに裏付けた。
|