研究課題/領域番号 |
12680091
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然地理学
|
研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
高橋 伸幸 北海学園大学, 工学部, 教授 (20202153)
|
研究分担者 |
佐藤 謙 北海学園大学, 工学部, 教授 (70128817)
小疇 尚 明治大学, 文学部, 教授 (10061897)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 大雪山 / 石狩川 / 古大雪湖 / 第四紀 / 氷河時代 / 氷河・周氷河環境 / 氷河地形 / 氷成堆積物 / 高山帯 / 周氷河環境 / 最終氷期 / 古環境 / 永久凍土 / 湖成堆積物 / 軽石流堆積物 / 氷縞粘土 / アウトウォッシュプレーン / 第四紀後期 |
研究概要 |
これまで氷河地形や氷期の古環境について未解明であった大雪山地域で第四紀後期の氷河・周氷河環境を明らかにすることが本研究の目的である。当該研究期間において、その全体像を明らかにするまでには至らなかったが、部分的な氷河の拡大状況や晩氷期の古環境について明らかにすることができた。まず、石狩川上流の石狩沢流域(石狩岳西面)では氷成堆積物(氷河底ティル、氷河上ティル、氷縞粘土など)が発見され、最終氷期前半の亜氷期において標高1050m付近まで氷河が拡大していたことが推定された。さらに石狩川本流沿いの標高980m付近では剪断構造を伴う氷河底ティルが発見された。その年代については不明であるが、その位置や堆積状況からさらに古い氷期のものでおる可能性がある。次に、石狩川右岸側(大雪山東面)の銀泉台付近の平坦な尾根上(標高1360m)において迷子石と見られる巨礫(長径4m以上)が発見された。その付近には氷河上ティルと考えられる堆積物も分布しており、この付近の尾根が広く氷河に覆われていた可能性が示唆される。その他石狩川流域の複数地点において氷成堆積物に類似した堆積物が発見されているが、その詳細と相互の関連性については今後さらに検討を要する。また、大雪山南部のトムラウシ山付近でも氷蝕地形と氷成堆積物が確認され、さらにトムラウシ火山形成史との関連から最終氷期前半の亜氷期における氷河の拡大とその範囲が推定された。 その他、最終氷期中の約3万年前の火山活動による石狩川がせき止めにより形成された古大雪湖の拡大範囲が明らかになった。また湖成堆積物の年代測定の結果、完新世初頭まで湖が存続していたことも分かった。 なお、不連続永久凍土帯に属する高山帯では現在でも気象観測を継続しており、その周氷河環境が定量的に把握されつつある。
|