研究課題/領域番号 |
12680093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 皇学館大学 |
研究代表者 |
水越 允治 皇學館大学, 社会福祉学部, 教授 (10024423)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 気候復元 / 歴史時代 / 古記録 / 近畿・東海地方 / 気候変動 / 季節現象 / 気候の将来予測 |
研究概要 |
1 資料収集状況 二年度に亘り、歴史時代の日々の天候記録を収集し、9-16世紀の間の作業をほぼ終了した。記録数は約300に達する。大部分は近畿地方中部についてのものである。予想以上の数が存在し、従来に比べてきめ細かい気候変動の実態が明らかにできる。 2 本研究で得られた成果 15世紀以後の記録は殆ど収集し終えたので、目下、15-20世紀の間の気候変動について分析を進めている。(1)梅雨期の特性・・・入・出梅日および梅雨期間については、半世紀乃至世紀単位で見る限り、平均値には過去6百年の間殆ど変動はない。但し、20世紀後半に梅雨期間が次第に長くなる傾向が見られるのは、近年の人為的影響の結果かも知れないが、なお検討を要する現象である。梅雨期の長さには、120年・100年・45年・33年などの周期が認められた。(2)台風の動向・・・従来の災害史料には挙げられていないものを含めると、現代に比べてほとんど同程度の台風襲来が中世にも認められる。襲来の最頻季節は時代によって違いがあり、近世中期以前には二百十日・二百廿日前後がまさに厄日であった。(3)冬季・夏季の気温変動・・・資料解析の途中であり、明確な結果はまだ得られていない。中世末から近世中期にかけての寒冷期は中央日本でも、間に数回の比較的温暖な時期を挟んで存在することを推定できる。 3 今後の予定 資料収集を完了したので、これを用いて千年以上に及ぶ中央日本の気候変動の解析作業を進め、実態と要因を明らかにする。すでに収集し終えた近畿・東海地方の近世の天候記録(17-19世紀)をつなげて、千年余に亘る'日々天候記録集成'を公表したい。広い研究分野での利用を念頭に置き、記録を原文のまま提示したい。その一部を、研究成果報告書に16世紀の百年間の6・7月天気表として掲載の予定である。
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