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遺跡出土微小骨片の骨組織構造による種同定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 12680157
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文化財科学
研究機関東北大学

研究代表者

奈良 貴史  東北大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (30271894)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード形質人類学 / 考古動物学 / 骨考古学 / 骨組織 / 古組織学
研究概要

遺跡出土微小骨片の組織構造から動物種類を同定する方法の開拓を目指し、これまでに収集した動物標本の骨切片を作成して組織像の所見を蓄積するとともに、更新世人類遺跡出土骨片を材料として同定の実際における方法の検討をおこなった。
動物標本の内容は、現生哺乳類14種40個体、現生鳥類1種1体、絶滅化石哺乳類3種3体である。これらの骨格各部位について厚さ50μmの切片を作成し、光学顕微鏡と偏光顕微鏡で検鏡して定性的観察所見を得た。さらに組織像をコンピュータに取り込み、画像解析プログラムを用いて組織形態計測をおこなった。その結果、osteonとHavers管の大きさ、osteon間を充填する繊維組織の様相、laminar boneと呼ばれる層板構造の有無、laminar bone内で横走する導管と縦走する導管の長径比などが、種により異なることを明らかにした。こうした諸特徴は、年齢や性別、部位によっても相違するが、secondary boneにおいてはその変異幅が動物間の違いを超えるほどではなく、組織構造から動物種類を推定する方法が積極的に支持されるものと考えられた。
この成績をもとに、北海道千歳市柏台1遺跡から出土した約22,000年前の骨片60余点の組織構造について比較解剖学的検討をおこなったところ、その組織像は現生ニホンジカにもっとも類似していた。出土骨片が焼骨であったことから焼成による組織構造の変化についても検討したが、それでもなおニホンジカの特徴から逸脱するものではない。後期更新世日本列島には多様なシカ科動物群が存在していたことから種の特定は困難であり、ニホンジカに類似する骨片は中型シカ科の可能性が高いと結論づけるのが妥当であると思われた。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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