研究課題/領域番号 |
12680162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
川本 耕三 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10241267)
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研究分担者 |
中村 晋也 金沢学院大学, 美術文化学部・文化財学科, 助手 (10301003)
米村 祥央 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (50332458)
大国 万希子 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (40250352)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 出土製品 / 保存処理 / 接着 / エポキシ系接着剤 / 曲げ接着強さ / 打ち抜き剪断強さ / エタノール / 油面接着剤 / 油面 / 脂肪酸エステル法 / 出土木材 / 接着強度 / 3点曲げ試験 / エポキシ / 遺物 / 曲げ / せん断 / PEG / HSM / 劣化 / 出土 |
研究概要 |
近年、出土木製品の保存処理法が数多く研究開発され、糖アルコール含浸法(SA法)・高級アルコール法(HA法)・脂肪酸エステル法(HSM法)のように実際に遺物の保存処理に用いられているものもある。これら新しい処理法について、適切な処理期間や遺物の寸法安定性、質感、保管時の経時変化などの研究成果が報告されている。 一方、出土木製品の大部分は埋没中に劣化し、何らかの物理的な力によって変形や折れ、欠損している。このような遺物に考古学的資料としてより高い価値を与えるためには、薬剤含浸処理などによって強化後、接着や補填などの作業をして復元しなければならない。先述の新しい方法によって処理された遺物の多くは接着特性の違いを考慮せず、従来と同様の材料・手法で復元されることが多い。 本研究では、曲げ接着強さ試験によって、特にHSM法におけるエポキシ系接着剤の接着力不足が著しいこと、また、接着剤の打ち抜きによる剪断強さ試験によって、エタノールがエポキシ系接着剤に悪影響を与えることが確認できた。さらに、HSM法で処理した試料木材を油面接着剤で接着し曲げ接着強さ試験を行ったところ、良好な結果を得ることができた。 (1)非水系の処理法で保存処理した遺物であっても保管・展示中の温湿度は厳しく管理すべき。 (2)エタノールは接着剤への悪影響が著しいので慎重に取り扱わなくてはならない。 (3)「接着」が最も問題になる処理法はPEG法とHSM法である。PEG法は保管環境によって対応すべきあると考える。HSM法は引き続き油面接着剤を検討することによって改善できる可能性がある。
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